グログラン(その他表記)gros-grain[フランス]

デジタル大辞泉 「グログラン」の意味・読み・例文・類語

グロ‐グラン(〈フランス〉gros-grain)

織り目を横に高くした、絹または化繊などの平織りの織物光沢があり、ドレス・ガウン・リボンなどに用いられる。

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精選版 日本国語大辞典 「グログラン」の意味・読み・例文・類語

グログラン

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] gros-grain ) 平織の一種。経(たていと)には細い生糸または片縒糸(かたよりいと)、緯(よこいと)には太い生糸または細い片縒糸を数本合わせて太くした糸を用いて、太い横畝(うね)を出したもの。婦人服やリボンなどに用いられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「グログラン」の意味・わかりやすい解説

グログラン
gros-grain[フランス]

経(たて)に細い生糸を,緯(よこ)に数本引きそろえた太い絹糸を用いて平織にした絹織物経糸が密で緯糸が太いため,経糸が緯糸を包むようなかたちとなり横畝を生じるのが特徴。緯糸は見えないので,梳毛(そもう)糸や,次いで綿糸なども用いられるようになり,現在では経緯ともに綿糸によるものも製作されている。経糸に絹,人絹,アセテートポリエステルの片撚糸を用いたものは光沢が美しく,正装用のコートやドレスに用いられる。先染の無地が多いが後染されたものもある。とくに綿のグログランは無地の後染が一般的で,初夏衣料に用いられる。また畝織特色を生かし,細幅のリボンもつくられている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グログラン」の意味・わかりやすい解説

グログラン
ぐろぐらん
gros grain フランス語

もとは経糸(たていと)に細い生糸を使い、緯糸(よこいと)に太い生糸、または梳毛糸(そもうし)を一度に数本ずつ引きそろえにして打ち込み、撚(よ)り方向に太い畝(うね)を出した織物であったが、のちに木綿や化合繊を使ったものもできた。この横の畝は、高くて丸みがあるのが特徴で、横張りのある生地である。一般に仕上げは堅くて手ざわりはこわい。この性質を利用して、婦人用コート、服地、縁飾り、リボンなどに使われる。

[角山幸洋]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グログラン」の意味・わかりやすい解説

グログラン
grosgrain

グログレーンともいい,きめが粗いという意味のフランス語から出ている。横うねが太くてはっきり見える平織物の一種。横うねの生地のなかでは風合いが最も硬い。うねが高くて丸いのが特徴。以前は絹織物に限られたが,その後の技術革新によって,木綿,ウール,レーヨンを使ったものをもいうようになった。絹織物はカクテルドレスやアフタヌーンドレス,綿織物はスーツやツーピース,毛織物はツーピースなどに使われる。

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百科事典マイペディア 「グログラン」の意味・わかりやすい解説

グログラン

横に畝(うね)を表した平織の織物。絹織物が多いが,毛,綿,化繊もある。組織は密で張りがあり装飾的なので婦人服地や袋物地とされる。またリボンとして装飾や帽子の内側に張るサイズリボン,編物地の裏打ちなどに利用される。
→関連項目ファイユ

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