グース(読み)ぐーす(その他表記)Hugo van der Goes

デジタル大辞泉 「グース」の意味・読み・例文・類語

グース(goose)

ガチョウ。「グースダウン(=鵝毛がもう)」

グース(Hugo van der Goes)

[1440ころ~1482]フランドル画家深みのある空間表現と人物草花の写実描写にすぐれ、ブルゴーニュ公家宮廷活躍。作「ポルティナリの祭壇画」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グース」の意味・わかりやすい解説

グース
ぐーす
Hugo van der Goes
(1440ころ―1482)

フランドルの画家。初期の伝記的な事実は不明。1467年、ヘント画家組合に登録され、1475年まで同地で制作。この間1468年にブリュージュブリュッヘ)で祭典の装飾に従事する。1475年以後ブリュッセル近郊の修道院へ入り、そこで精神に異常をきたし、生涯を閉じた。ヤンファンアイクワイデンに続く15世紀後半の偉大な存在で、1476~1477年メディチ家のブリュージュ駐在官ポルティナーリTommaso Portinari(1424?―1501)のために描いた祭壇画『キリスト降誕』(ウフィツィ美術館)は、イタリア絵画の影響がうかがわれるモニュメンタルな作品である。初期の『原罪』を含む二幅対はウィーンに、後期の代表作『マリアの死』はブリュージュにある。鮮麗な色彩気品あふれた描線、および劇的でしかも統一ある画面構成に特色がある。

[野村太郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グース」の意味・わかりやすい解説

グース
Goes, Hugo van der

[生]1440頃
[没]1482. ブリュッセル,ルージュモン
フランドルの画家。 1467年ヘントの画家組合に加入し,ヘントとブリュッヘで活躍した。 73年および 75年にはヘントの画家組合の理事長に選出されるが,76年ブリュッセル近郊ソアーニュの森に近いルージュモンの修道院に入る。その後も俗世と交流しつつ絵の制作に励むが,81年以後精神病の発作に苦しめられ,同修道院で没した。作品は迫真力ある描写法による巧緻な感情表現で新生面を示す。代表作はブリュッヘに滞在したメディチ家の代理人 T.ポルティナーリの依頼で制作した巨大な祭壇画『羊飼いの礼拝』 (1474~76頃,ウフィツィ美術館) 。これは D.ギルランダイオや L.クレーディなど当時のフィレンツェの画家たちに大きな影響を与えた。ほかに『アダムとイブの原罪』 (ウィーン美術史美術館) ,『聖母の死』 (ブリュッヘ市立美術館) など。

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