ケナフ(読み)けなふ(その他表記)kenaf

翻訳|kenaf

デジタル大辞泉 「ケナフ」の意味・読み・例文・類語

ケナフ(kenaf)

アオイ科一年草。高さ3~5メートルに達し、葉は掌状で長い柄がある。花は淡黄白色。インドアフリカ原産。茎から黄麻ツナソ)に似た繊維がとれ、綱・魚網・袋などの材料にする。洋麻。

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精選版 日本国語大辞典 「ケナフ」の意味・読み・例文・類語

ケナフ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] kenaf ) アオイ科の一年草。インドまたはアフリカ原産で、アフリカ、インド、イラン、ロシア南部などで栽培されている。茎は高さ三~五メートルになり、細毛と鉤状の刺(とげ)がある。葉は掌状で長柄をもつ。葉腋(ようえき)に淡黄白色の五弁花を二~三個ずつ開く。茎から黄麻に似た繊維をとる。製品はジュートとも呼ぶ。綱、魚網、麻袋などをつくる。洋麻。ガンボアサ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケナフ」の意味・わかりやすい解説

ケナフ
けなふ
kenaf
[学] Hibiscus cannabinus L.

アオイ科(APG分類:アオイ科)の一年草。アオイツナソともいう。茎は直立し、高さ3、4メートル、赤色を帯びることもある。葉は掌状に深く3~5裂して先はとがる。夏、葉腋(ようえき)に2、3個ずつ花をつける。花は径約10センチメートルの白黄色の5弁花で、中心部暗赤色で美しい。アフリカまたはインド原産と考えられ、茎から繊維をとるために熱帯から温帯にかけて栽培されている。播種(はしゅ)後、4~5か月で収穫する。繊維はジュートに似て、その代用として麻袋や網、ロープなどをつくり、製紙原料ともする。種子には20%ほどの油が含まれており、搾って食用や灯火用、せっけんなどの原料とする。搾り粕(かす)は家畜の飼料となる。

[星川清親 2020年4月17日]


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改訂新版 世界大百科事典 「ケナフ」の意味・わかりやすい解説

ケナフ
kenaf
ambari hemp
Hibiscus cannabinus L.

茎からジュートに似た繊維を採るアオイ科の一年草。中国ではヤンマ(洋麻)という。原産地はアフリカまたはインドとされ,熱帯から温帯にかけて世界各地で栽培されている。茎は丸く,直立し,高さ2~4m,赤色を帯びることもある。葉は先のとがった卵形,掌状に3~5裂することが多い。花はアオイに似た5弁花,直径10cmほどにもなり,白黄色,中心に暗赤色のまだらがある。果実にはとげがあり,内部は5室に分かれ,各室に種子が3~5個はいる。栽培型には熱帯から亜熱帯で栽培される南方型と,温帯で栽培される北方型とがある。播種(はしゆ)後4~5ヵ月で収穫する。刈り取った茎は水に10~20日間漬けてから繊維を採る。繊維はジュートの代用として麻袋や網,ロープなどをつくり,製紙原料ともする。種子には20%ほどの油が含まれ,食用や灯火用,セッケンなどの原料とされる。また搾りかすを飼料とし,若葉は食用となる。
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百科事典マイペディア 「ケナフ」の意味・わかりやすい解説

ケナフ

アオイ科の一年草。アフリカ原産で,ジュートに似た繊維をとるために栽培される。高さ2〜4mで,茎は花色を帯び,フヨウに似た黄色で中心部に暗赤色の斑のある花を開く。茎からとれる繊維は網,ロープなどにされ,近年,製紙原料として注目されている。種子の油は灯火用やセッケン製造に用いられる。
→関連項目繊維作物

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化学辞典 第2版 「ケナフ」の解説

ケナフ
ケナフ
kenaf

アオイ科フヨウ属の一年生植物Hibiscus canabinus Lのこと.靭皮繊維は織物,ロープ,製紙原料として利用される.中国,インド,東南アジア,南・北アメリカで栽培されており,生長が早く,土壌条件を選ばないなどの特色から,靭皮部を分離することなく,全茎を利用したパルプには,製紙原料として木材に一部代替することが期待されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

リフォーム用語集 「ケナフ」の解説

ケナフ

アオイ化ハイビスカス属の植物。ケナフを原料としたケナフボードという建材が開発され、注目されている素材。接着剤を一切使用しない環境と人間に優しい建材ボードで、断熱効果、吸放湿性、吸着性(臭気)に優れ、建築材料として現代の機能住宅が抱える結露や健康への問題を少しでも解決できるのではないかと考えられている。次世代ボード。

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