日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケナフ」の意味・わかりやすい解説
ケナフ
けなふ
kenaf
[学] Hibiscus cannabinus L.
アオイ科(APG分類:アオイ科)の一年草。アオイツナソともいう。茎は直立し、高さ3、4メートル、赤色を帯びることもある。葉は掌状に深く3~5裂して先はとがる。夏、葉腋(ようえき)に2、3個ずつ花をつける。花は径約10センチメートルの白黄色の5弁花で、中心部が暗赤色で美しい。アフリカまたはインド原産と考えられ、茎から繊維をとるために熱帯から温帯にかけて栽培されている。播種(はしゅ)後、4~5か月で収穫する。繊維はジュートに似て、その代用として麻袋や網、ロープなどをつくり、製紙原料ともする。種子には20%ほどの油が含まれており、搾って食用や灯火用、せっけんなどの原料とする。搾り粕(かす)は家畜の飼料となる。
[星川清親 2020年4月17日]
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