コキンチョウ(読み)こきんちょう(英語表記)gouldian finch

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コキンチョウ」の意味・わかりやすい解説

コキンチョウ
こきんちょう / 胡錦鳥
gouldian finch
[学] Chloebia gouldiae

鳥綱スズメ目カエデチョウ科の鳥。同科コキンチョウ属に含まれ、1属1種である。全長約14センチメートル。極彩色羽毛をまとった鳥で、背面は緑色、上尾筒は青色、胸は紫色、下面は黄色。嘴(くちばし)は肉色で先端が赤い。個体により頭部が赤色、黒色、黄色などと変化があり、黄色は数千羽に1羽程度しかいないといわれる。頭部の赤いのがアカコキンあるいはコキン、黒いのがクロコキン、黄色のがオウゴンコキンなどとよばれ珍重される。オーストラリア北部の熱帯圏にある草原にすみ、草本の種子穀物を好むが、昆虫などもとる。カエデチョウ科のうちの6属51種を含むキンパラ類の代表的な高級飼い鳥である。

 同じオーストラリア北部とニューギニアにシマコキンLonchura castaneothraxとよばれる鳥がいるが、コキンチョウと異なりキンパラ属である。全長約10センチメートル、背面淡褐色、上尾筒橙黄(とうこう)色、顔黒色、胸栗(くり)色、下面白色、嘴青灰色のかわいい鳥で、草原、葦原(あしはら)にすむ。オセアニアの諸島に輸入され、野生化したものも少なくない。

[坂根 干]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コキンチョウ」の意味・わかりやすい解説

コキンチョウ
Erythrura gouldiae; gouldian finch

スズメ目カエデチョウ科。全長 14cm。頭部が黒,赤,黄色の三つの型がある。後頸部,腰は空色,後頭部から背は黄緑色,胸は紫色で腹部は黄色。尾羽は中央の 2枚がやや長く黒色。円錐形で,色が黄白色で先端が赤い。オーストラリア北部のサバナに分布する。頭部の黒い型と赤い型の割合は約 3対1,黄色の型は,黒と赤 1000羽に対して 1羽ぐらいの割合で,最少。種子食なので飼いやすく,羽色が鮮やかであることから世界中に輸出され,日本でもよく飼育されている。しかし野生の鳥は,放牧野焼きで生息環境が悪化しているうえ,感染症などの影響でたいへん少なくなっている。

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