こそこそ(読み)コソコソ

デジタル大辞泉 「こそこそ」の意味・読み・例文・類語

こそ‐こそ

[副](スル)
人目につかないように物事をするさま。こっそり。「こそこそ(と)出ていく」「陰でこそこそするな」
物が軽くすれ合ったりして、かすかに音のするさま。かさこそ。
「手を―とすりて」〈宇治拾遺・一〇〉
くすぐるさま。こちょこちょ。
「ちとこそぐりませう。―、―」〈虎寛狂・子盗人
[類語]そっとひそやかこっそりひそか忍びやか内内うちうち内内ないない内輪遠慮内部内密内幕内裏うちうら内緒内分内聞内情内実

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「こそこそ」の意味・読み・例文・類語

こそ‐こそ

[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 静かに音のするさま、かわいたものが触れあったりして、かすかな音がするさまを表わす語。
今昔(1120頃か)二七「傍なる(かうし)の迫(はさま)の塵許有けるより、此の板こそこそとして入ぬ」
② 人に隠れてこっそりと事を行なうさまを表わす語。そっと。静かに。
愚管抄(1220)七「摂籙臣をわが物にたのみもし、にくみもするすぢのこそこそとうせぬる上は」
③ くすぐるさまを表わす語。こちょこちょ。
※虎明本狂言・仁王(室町末‐近世初)「こそこそやこそこそ、こそぐる」
④ 動きの小きざみで素早いさまを表わす語。すばやく。
※百丈清規抄(1462)四「は水をこそこそとくみて、かへほすやうな心ぞ」
[2] 〘名〙 「こそこそどろぼう(━泥棒)」の略。
坑夫(1908)〈夏目漱石〉「『泥棒が這入るとするぜ』『こそこそがかい』」

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