出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
江戸後期の国学者。備中(びっちゅう)国加陽郡宮内字三日市(岡山市北区)に住する。父は高久。通称忠之丞(ただのじょう)、名は高尚、家を松屋(まつのや)と号する。吉備津宮(きびつのみや)宮司となり、従(じゅ)五位下長門守(ながとのかみ)に任ぜられる。本居宣長(もとおりのりなが)に入門。著書『三(みつ)のしるべ』(1826刊)は古道論を説く上巻「道のしるべ」と、中巻「歌のしるべ」、下巻「ふみのしるべ」からなる。歌論では宣長の「物のあはれ」説を継承し、小沢蘆庵(ろあん)の「ただこと」論を非難している。ほかに『伊勢(いせ)物語新釈』(1813)、『松屋自選歌集』などがある。
桃の花下てる道はくらからじ日はくれぬともあそびてゆかむ
[辻森秀英]
(飯倉洋一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
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