コルニュ(読み)こるにゅ(その他表記)Marie Alfred Cornu

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コルニュ」の意味・わかりやすい解説

コルニュ
こるにゅ
Marie Alfred Cornu
(1841―1902)

フランスの物理学者オルレアンに生まれ、エコール・ポリテクニク(理工科大学校)を卒業。初め鉱山技師であったが、1867年母校の教授、1878年科学アカデミー会員となった。光速度測定紫外線の研究、レンズの主面と焦点の決定法、干渉縞(じま)による弾性体の変形測定、ゼーマン効果の研究、太陽スペクトル表の作製など光学領域の業績が多く、回折計算に用いる「コルニュの螺旋(らせん)」(「オイラーの螺旋」ともいう。一つの平面曲線で、その曲率が弧の長さに比例するもの。)はとくに著名である。ほかに音響学、天文学、地球物理学の分野にも業績がある。

[辻内順平]

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改訂新版 世界大百科事典 「コルニュ」の意味・わかりやすい解説

コルニュ
Marie Alfred Cornu
生没年:1841-1902

フランスの物理学者。1867年エコール・ポリテクニクの教授となり,78年アカデミー・デ・シアンス会員となる。初期の鉱物学の研究から光学に転じ,A.H.フィゾーの方法を改良して光速度の精密な測定を行った(1871)。紫外部の線スペクトル精密測定や,太陽のスペクトル表の作成,またゼーマン効果の研究など,スペクトル解析に多くの寄与を残した。光の回折現象に関する研究は,A.J.フレネルが回折現象を論ずる際に扱った二つの積分(フレネルの積分という)の関係をグラフに表したコルニュの渦巻によって知られている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コルニュ」の意味・わかりやすい解説

コルニュ
Cornu, Paul

[生]1881. リジュー
[没]1944
フランスのヘリコプタ研究家。直径 2m以上の回転翼 (ロータ) をもつ大きな模型で実験飛行を繰り返したのち,世界で初めて人の乗ったヘリコプタで自由飛行に成功した。この機体は,布張りの羽根2枚からなる直径 6.2mのロータを前後につけ,24馬力のアントアネット・エンジンを搭載。 1907年 11月 13日,四つの車輪が地面を離れ,地上 30cmほどの高さに 20秒間とどまり,歴史的な飛行をなしとげた。ただし安定性や操縦性に欠け,実用にはいたらなかった。

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367日誕生日大事典 「コルニュ」の解説

コルニュ

生年月日:1841年3月6日
フランスの物理学者
1902年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のコルニュの言及

【クロソイド】より

…弧長がsである点における曲率がa2/sである曲線はクロソイドの一部をなす。コルニュM.A.Cornu(1841‐1902)が,物理光学における回折現象の表現のためにこの曲線を用いたので〈コルニュのらせん〉とも呼ばれる(図)。一定の速さで走る車のハンドルを一定の角速度で回転したとき,この車の走る道筋はこの曲線になる。…

※「コルニュ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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