ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンヌ」の意味・わかりやすい解説
コンヌ
Connes, Alain
フランスの数学者。エコール・ノルマル・シュペリュールで 1970年に学士号,1973年に博士号を取得。フランス国立科学研究センター CNRS(1970~74,1981~84),パリ第6大学(→パリ大学。1976~80),フランス高等科学研究所 IHÉS(1979~ ),コレージュ・ド・フランス(1984~ ),アメリカ合衆国のバンダービルト大学(2003~ )などで教授を務める。1983年にポーランドのワルシャワで開催された国際数学者会議において,作用素理論に関する業績によりフィールズ賞を受賞。フォン・ノイマン代数(→ノイマン),すなわちヒルベルト空間における有界線形作用素(→線形作用素)のなすある代数の研究は 1930年代に始まったが,多くの問題が 1960年代末まで未解決のまま残されていた。コンヌはこの分野において,これまでに別々に考察されてきた多くの概念を統合し,作用素環における因子の分類問題で重要な結果を得た。また,作用素環の微分幾何学への応用についても研究し,アティヤ=シンガーの指数定理をさまざまに発展させた。コンヌの非可換幾何学の研究により,作用素理論は新たな幾何学を生むきっかけとなった。また後年の研究は,エルゴード理論(→エルゴード仮説)に重要な影響を与えている。
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