翻訳|optical disk
レーザー光によってデジタル情報を記録した記録盤の総称。一般に、光磁気を用いた書き換え可能な光磁気ディスク(MO)とは区別して用いている。
原理は、アルミの反射膜ディスクに刻まれた凹凸(ピット)にごく細く絞った半導体レーザービームを当て、その反射光の強弱をデジタル電気信号に変換する方式。ディスクは基盤とその上の反射膜、透明な硬質保護膜の三層構造であるため耐久性に優れ、凹凸はアルミ膜などでの印刷ですむため量産に向く。またピックアップは光であるために盤が痛むことはなく、デジタル記録であるため情報の劣化がなく、ピットピッチやトラックピッチはマイクロメートル程度であるために大量の情報が記録できる。このため、音楽、映画、写真、パソコンやコンピュータのデータの記録媒体として広く用いられており、ディスクの直径、ピットの作り方により以下のようにさまざまによばれている。
LD(レーザーディスク)は30センチメートル径で、映像をFM変調したものに音声信号を重ねてピットとして記録している。両面が使用でき、片面に30分か60分が記録されている。光ディスクの元祖であり、オランダのフィリップス社が1972年に発表した。
CD(コンパクトディスク)は12センチメートル径で、誤り訂正を含めてデジタル変換したものをピットとして記録し、片面に74分まで音楽が記録されている。1980年に登場した。このほか、CD-Gは音楽の空白部に静止画や文字を記録したもの、CD動画カラオケは最大74分の音楽と動画を再生する。CD-ROM(ロム)は1984年に開発され、パソコン用に辞典などの大容量のデータを記録したもの。CD-IはCD-ROMに読出し用のソフトを加えて対話型にしたもの、またCD-Rはレーザー光を強めてディスク表面に塗布した追記用の反射膜(TePbなど)を溶かして追記ができるようにしたものである。MD(ミニディスク)は6.4センチメートル径の再生専用のもので、最大74分の音楽が記録されている。再生・記録用のものとしては1992年に開発された光磁気ディスクがある。DVD(デジタル多用途ディスク)はCDと同じ12センチメートル径に映画1本(約135分、5ギガバイト)分相当の高品質な動画・音声・データを片面に記録する。
[岩田倫典]
DVDの後継としては、青色レーザーを使うブルーレイディスクやHD DVDなどが登場してこの2方式で争われたが、2008年(平成20)東芝がHD DVDからの撤退を表明したことにより、第三世代の光ディスクはブルーレイディスク1本になった。また、次世代として期待されている規格にHDV(ホログラフィック・バーサタイル・ディスク)がある。
[編集部]
デジタル化した画像情報などを,レーザー光で書き込みや読み出しをするための円盤状の記憶媒体.1970年にアメリカのベル研究所が半導体レーザーの室温連続発振に成功し,それまで用いられてきたHe-Neレーザー光源に対して取り扱いが大幅に容易となったことから,開発が活発化した.用途別では,映像・音声用のLDやDVD-ROM,音楽用のCDやMD,パーソナルコンピューターの外部記憶用のCD-ROM,CD-R,DVD-RAMなどがよく知られ,機能別では,CD-ROMで代表される再生専用型,CD-Rに代表される一度だけ記録できる追記型,DVD-RAMで代表される書き換え型に区分することができる.光ディスクはレーザー光を使って光ディスク担体の記録膜を変化させてデータを記録し,その記録膜にふたたびレーザー光を照射し,その反射光の変化を読みとることによりデータを再生している.レーザーの記録マーク径が小さく高密度記録ができ,また光ディスク単体ごと取り出してデータを容易に移動できる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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