ロシアのエス・エル党の革命家,作家。判事の子。ワルシャワ中学からペテルブルグ大学に進み,革命運動のため退学。初めは社会民主党系の組織に関係したが,1902年ボログダに流刑中,ブレシコ・ブレシコフスカヤの勧めでエス・エル党に加わる。ゲルシューニ逮捕後戦闘団に入り,アゼフのもとで戦闘団の第2の責任者となった。06年逮捕されたが,同志の手引きで脱走した。アゼフと権力側とのつながりが暴露され衝撃を受けたが,一方,自身もロープシンV.Ropshinというペンネームで,戦闘団員の内面的空虚さを描いた小説《蒼ざめた馬》(1909)をリベラルな雑誌《ロシア思想Russkaya mysl’》に発表して物議をかもした。第1次世界大戦中は義勇兵としてフランス軍に従軍した。1917年の二月革命後は大本営付きのコミッサールを経て,ケレンスキー陸海軍相の次官を務めた。十月革命後は〈祖国と自由擁護同盟〉をつくり,ソビエト政権打倒の闘争を進めたが,24年ポーランドに潜入したところを逮捕された。裁判中ソビエト政権を承認する旨を表明したが,判決後自殺したといわれる。作品には,《存在しなかったこと》(1912。邦訳《夢幻の人びと》),《黒馬を見たり》(1923),《テロリスト群像》(1926)などがある。
執筆者:和田 春樹
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