サングイネーティ(読み)さんぐいねーてぃ(英語表記)Edoardo Sanguineti

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サングイネーティ」の意味・わかりやすい解説

サングイネーティ
さんぐいねーてぃ
Edoardo Sanguineti
(1930―2010)

イタリアの詩人、小説家、評論家。ジェノバに生まれ、トリノ大学でイタリア古典文学を専攻。若くしてギリシアラテン、イギリス、フランス、ドイツなどの諸言語を混入させた詩集『ラボリントス』(1956)、『エロトパエニア』(1958)などを発表した。彼を含め同世代の詩人ジュリアーニ、バレストリーニ、パリアラーニ、ポルタの5人の詩作品を編纂(へんさん)した詩選集『最新人』(1961)は、現代詩の主流エルメティズモ(錬金術主義)を鋭く批判した。これら5人が中心になって1963年パレルモで「63年グループ」を結成した。『イタリア綺想曲(きそうきょく)』(1963)、『双六(すごろく)遊び』(1967)、『サテュリコンの戯れ』(1970)は野心的な実験小説である。評論集には『思想と言語』(1965)、『ジョルナリーノ』(1976)などがある。1980年代以降、『ビスビディス』(1987)、『タイトルなし』(1992)、『コロッラーリオ』(1997)など、さらに前衛的な詩集を発表。その活発な活動により「新前衛派」の指導的存在になっている。また、日伊両国政府の合意に基づく「日本におけるイタリア2001年」に際して来日し、4月東京銀座で催された「詩の祭典」に出演前衛音楽にあわせて詩の朗読を行った。ジェノバ大学教授でもあり、国会議員にも選出されている。

河島英昭

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サングイネーティ」の意味・わかりやすい解説

サングィネーティ
Sanguineti, Edoardo

[生]1930.12.9. ジェノバ
[没]2010.5.18. ジェノバ
イタリアの詩人,小説家,劇作家,評論家。1956年トリノ大学文学部卒業。トリノ大学,サレルノ大学,ジェノバ大学教授を務め,「グループ63年」の結成メンバーの一人として,新前衛派の文学運動の形成・発展に貢献した。主著に,多言語を混入した詩集 "Laborintus"(1956),実験小説 "Capriccio italiano"(1963),"Il giuoco dell'oca"(1967),"Il giuoco del Satyricon"(1970),評論集 "Ideologia e linguaggio"(1965)など。一時政界にも身を置き,1976~79年ジェノバ市議会議員,1979~83年イタリア共産党(→左翼民主党)所属の国会議員を務めた。(→イタリア文学

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