日本大百科全書(ニッポニカ) 「サージング」の意味・わかりやすい解説
サージング
さーじんぐ
surging
ダム水路式水力発電所の使用水量の変動によって生ずるサージタンクの水面振動。ダム水路式水力発電所の使用水量が変化すると、圧力トンネルで結ばれた貯水池とサージタンクの間にU字管振動が生じ、サージタンクの水面が上昇、下降を繰り返す。これをサージングという。浮体の波による運動(並進運動、回転運動)の一要素で、波の進行方向の並進運動(前後揺れ)もサージングという。
[鮏川 登]
機械工学でも、ポンプや送風機にある管路をつないで運転すると、ある運転状態で圧力・流量・回転数・所要動力などが周期的に変動し、一種の自励振動をおこすことをサージング現象という。サージング現象がおこると、ポンプの運動を不安定にし、危険を生ずる場合がある。その防止のために、羽根の形状を考慮する、流量・回転数を適当に変えサージング点を避ける、管路の途中にある空気室の容量や管路抵抗を適当に変える、などの方法をとる必要がある。
[中山秀太郎]