ザイデル（読み）ざいでる（英語表記）Ina Seidel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ザイデル
Seidel， Ina

[生]1885.9.15. ハレ
[没]1974.10.2. エベンハウゼン
ドイツの女流作家。プロテスタント的ヒューマニズムに根ざした，女らしい情愛を特色とする歴史小説が多い。そのテーマは家と郷土のなかに生きる女性の姿で，教養小説的な色彩が強い。そのためナチス時代には意図に反してもてはやされた。『迷路』 Das Labyrinth (1922) ，『申し子』 Das Wunschkind (30) ，『レンアッカー』 Lennacker (38) のほか，詩集 (14) がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

ザイデル
ざいでる
Ina Seidel
（1885―1974）

ドイツの女流詩人、小説家。キリスト教信仰を基盤として、自然へのロマン派的あこがれを秘めた叙情詩や、民族的・歴史的な素材による小説を書いた。プロテスタンティズムの変遷をある牧師の家系にたどった『レンナッカー物語』（1938）のほかに、博物学者フォルスターの運命を描いた『迷路』（1922）、ナポレオン時代の戦乱で夫と息子を失った女性の物語『申し子』（1930）などがある。

［横塚祥隆］

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