ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シェーベルイ」の意味・わかりやすい解説
シェーベルイ
Sjöberg, Birger
[没]1929.4.30. ベクシェー
スウェーデンの詩人。ほとんど正規の教育を受けず,種々の職業を経てジャーナリストとなり,39歳のとき彗星のように文壇に登場,5年間の短い創作活動ののちに没したが,その意欲的な詩集『危機と花冠』 Kriser och Kransar (1926) は,凄絶ともいうべき生との対決と独特の形式とで高く評価され,スウェーデン近代詩の代表作の一つと認められている。精神分裂症的性向から極度の憂鬱症にとらわれることがあり,その詩も内面の悩みを反映して,暗黒のなかに光明の世界を求めるものが多い。処女詩集は『フリーダの書』 Fridas bok (22) で,このなかの詩を歌いながら吟遊の旅をしたこともある。ほかに,小説『砕かれた四重奏』 Kvartetten somsprängdes (24) ,死後出版された詩集『フリーダの書』第2集 (29) ,『地上の思い出』 Minnen från jorden (40) など。
シェーベルイ
Sjöberg, Alf
[没]1980.4.17. ストックホルム
スウェーデンの映画監督。舞台俳優,放送演出家を経て,1929年映画監督となる。処女作『一番強い者』 Den starkaste (1929) は北極圏の猟師たちの生活をドキュメンタリー・タッチで描いた秀作といわれた。以来『もだえ』 Hets (44) ,『令嬢ジュリー』 Fröken Julie (51) などの佳作で第2次世界大戦後のスウェーデン映画の復興に貢献した。特に後者は現在のシーンのなかに過去の出来事が出現する技法を駆使し,その斬新さが注目され,51年のカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した。 69年以後は映画界から退き,舞台演出家として活躍した。
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