シシュフォス(英語表記)Sisyphos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シシュフォス」の意味・わかりやすい解説

シシュフォス
Sisyphos

ギリシア神話英雄。人間のなかで最も奸智にたけていたとされる。アイオロスの子で,コリントを創建し,その王となったが,ゼウスがアソポス川の娘アイギナをさらったのをみて,父の河神に告げ口したうえに,これを罰しようとしてゼウスが彼のもとに送った死神タナトスを捕え,その解放を強制されて死ななければならないはめに陥っても,冥府でハデスをだまし,また地上に帰り長生きしてしまうなど,生前に神々を愚弄し続けたため,死後冥府で,頂上に着くとまた転がり落ちてくる岩を何度でも山の上に押上げる苦役に服すことになった。一伝によれば,彼は,オデュッセウスの母アンチクレイアが,ラエルテスと結婚する前に彼女と通じていたので,知恵者として名高いオデュッセウスの実の父にほかならないという。

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