日本大百科全書(ニッポニカ) 「シナイ文字」の意味・わかりやすい解説 シナイ文字しないもじ 1905年にイギリスの考古学者W・M・F・ピートリによりシナイ半島南方のサラービト・エル・ハーディム遺跡で発見された初期アルファベット文字。この文字で書かれたシナイ刻文はすべて落書き風の稚拙なもので、紀元前1700年前後のころここにあった銅鉱山の関係者によって使われたものと思われる。1916年にイギリスのエジプト学者A・ガーディナーがその一部を解読し、22個の子音文字からなるフェニキア文字(後代の全アルファベット文字の原型)の原型に近いものと推定した。アクロフォニーの原理(bēt「家」を表す図形で頭音bを示す方式)によっている。[矢島文夫][参照項目] | アルファベット 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シナイ文字」の意味・わかりやすい解説 シナイ文字シナイもじSinaitic script 1904~05年にシナイ半島で発見された,前 16世紀頃のものと推定される碑文の文字。エジプトの象形文字とセム族のアルファベットとの中間段階の形をしており,最古のアルファベットと目される。セム文字の起源をこれに求める説もある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報