ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シバの女王」の意味・わかりやすい解説
シバの女王
シバのじょおう
Queen of Sheba
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『旧約聖書』(「列王記」上・10章)の登場人物。紀元前1000年ごろ、シバの女王はイスラエルのソロモン王の名声を聞き、王を表敬訪問した。シバはアラビア半島の南端、いまのイエメン付近に存在した国である。当時ソロモンは、紅海沿岸のエジオン・ゲベルという町に造船所を設けて、この地域での仲介貿易にも広く活動の手を伸ばしていた。女王は多くのことを質問し試そうとしたが、彼はすべてに答えた。彼女はソロモンの知恵の深さとその王国の繁栄を実見し、巨額の財宝を献上した。その贈答品には、香料、金、宝石があがっている。また、シバの北隣の国オフルから金、白檀(びゃくだん)、宝石を積んできた船は、ツロの王ヒラム所有のものであった。ここには、当時の海上貿易の一端をうかがうことができる。
[市川 裕]
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