ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マーリブ」の意味・わかりやすい解説
マーリブ
Ma'rib; Marib
現在のマーリブの一部は遺跡を利用してつくられ,ラクダ,ヒツジ,ヤギを放牧して暮らすベドウィン族の中心地である。良質のウマも飼育される。イエメン高地を源流とするワディはいくつかあるものの,ルブアルハーリー砂漠に接する乾燥地帯のため,農業生産性はイエメンで最も低い。土地は砂漠との接点である標高 1000~2000mから東に向かって傾斜している。ヒツジ,ヤギ,ウシ,ロバが飼育され,ナツメヤシが栽培される。1984年に近隣で大規模な油田が発見されて以降,石油産業の中心的役割を担っている。
サバ王国時代の神殿や集落跡,碑文などが残され,月の神アルマカ Almaqahをまつるバラン寺院跡は精巧な建築で有名である。当時の繁栄を物語る史跡の数々は2023年,「古代サバ王国のランドマーク,マーリブ」として世界遺産の文化遺産に登録された。人口 1万3863(2004)。
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