日本大百科全書(ニッポニカ) 「シマヘビ」の意味・わかりやすい解説
シマヘビ
しまへび / 縞蛇
[学] Elaphe quadrivirgata
爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目ナミヘビ科のヘビ。北海道、本州、四国、九州および大隅諸島などの離島に普通にみられる無毒種。全長1~1.5メートルで、伊豆七島の祗苗(ただなえ)島では1.9~2.1メートルの大形個体が採集されている。無毒ヘビの典型的な体形をしており、黄褐色の体背面には頸部(けいぶ)から尾部にかけて、4条の黒色縦条が走る。幼体は赤みを帯び、背面に赤褐色の横帯と4列の黒色斑点(はんてん)とが並ぶ。成長につれて横帯が薄れ、斑点が黒褐色の縦縞(たてじま)模様として鮮明となってくる。アオダイショウに似るが、虹彩(こうさい)が赤みがかり、胴周りの体鱗が19列である点が異なる。平地から低山地の水辺、草原、耕地、森林周辺などに生息し、地上にいることが多い。餌(えさ)はカエル、サンショウウオ、トカゲ、小さなヘビ、小鳥、小哺乳(ほにゅう)類などである。飼育するとよくなれるが、野外では追い詰められると、激しく尾を振って威嚇する。夏に10~20個ほどを産卵し、40~50日ほどで孵化(ふか)する。カラスヘビは本種の黒化型である。
[松井孝爾]