大隅諸島(読み)オオスミショトウ

デジタル大辞泉 「大隅諸島」の意味・読み・例文・類語

おおすみ‐しょとう〔おほすみシヨタウ〕【大隅諸島】

鹿児島県南部、大隅半島の南方にある諸島。種子島屋久島口永良部島くちのえらぶじま馬毛島まげしまからなる。

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精選版 日本国語大辞典 「大隅諸島」の意味・読み・例文・類語

おおすみ‐しょとうおほすみショタウ【大隅諸島】

  1. 鹿児島県南部、南西諸島北部の諸島。種子(たねが)島、馬毛(まげ)島、屋久(やく)島、口永良部(くちのえらぶ)島から成る。

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日本歴史地名大系 「大隅諸島」の解説

大隅諸島
おおすみしよとう

大隅半島の南海上に点在する島々で、種子島・屋久島・口永良部くちえらぶ島・馬毛まげ島の四島をさす。西方には口之三くちのみ(竹島・琉黄島・黒島、三島村に所属)がある。薩南諸島のうち鹿児島県本土に最も近く、すべて北緯三〇度以北―三一度の間に位置する。大隅諸島のうち最大の屋久島はほぼ円形の島で、中央部には宮之浦みやのうら(一九三五・三メートル)をはじめ、標高一八〇〇メートルを超す峰々が連なり、九州の最高地点となっていて、洋上アルプスとよばれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大隅諸島」の意味・わかりやすい解説

大隅諸島
おおすみしょとう

鹿児島県大隅半島から大隅海峡を隔てた海上に散在する島々。屋久島(やくしま)、種子島(たねがしま)、口永良部島(くちのえらぶじま)、馬毛島(まげしま)の4島からなる。付近には竹島、硫黄島(いおうじま)、黒島、草垣群島があるが、草垣群島を除く3島を一般に口之三島(くちのみしま)とよび、大隅諸島には加えない。行政区として屋久島と口永良部島を屋久島町、種子島の北部と馬毛島を西之表(にしのおもて)市、中部を中種子町、南部を南種子町と区分している。屋久島の面積は504.88平方キロメートル、最高点は宮之浦岳(みやのうらだけ)の1936メートルで九州全体の最高点でもある。この島の基盤は熊毛(くまげ)層群とよばれる中生代の堆積岩で、その上を第三紀の花崗岩(かこうがん)類が覆い、これが高い山体を形成している。ここは日本の最多雨域の一つでもあり、この島で生育した樹齢1000年以上のスギをヤクスギ屋久杉)とよび、よく知られている。屋久島がほぼ円形であるのに対し、種子島は細長く、面積444.99平方キロメートルとやや狭い。最高点も282メートルで地形は平坦(へいたん)で起伏の小さい島である。基盤は屋久島と同じで、その上を2枚の新第三紀の堆積岩類が覆う。古くはポルトガル人による鉄砲伝来(1543)の島として、近年は大隅半島内之浦(うちのうら)(肝付(きもつき)町)と並び宇宙ロケット発射基地の島として知られる。口永良部島は活火山島である。各島の平地は亜熱帯性の気候を示し、ガジュマルが茂り、ハイビスカスが咲く。本諸島近海は初夏トビウオ漁が盛んである。

[塚田公彦]


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改訂新版 世界大百科事典 「大隅諸島」の意味・わかりやすい解説

大隅諸島 (おおすみしょとう)

鹿児島県南部にある薩南諸島北部の島々。西之表市および熊毛郡に属する種子島馬毛(まげ)島屋久島口永良部(くちのえらぶ)島の4島をいい,普通は口之三島と呼ばれる竹島,硫黄島,黒島を加えない。南西諸島で一般に見られるように東西3列の地質・地形的配列をなす。東の種子島と馬毛島は第三紀層よりなる低平な島,中央列の屋久島は古期岩石よりなり,九州一の高峰八重岳(宮之浦岳。1936m)をもつ高峻な島で,最西列の口永良部島は火山島である。気候は奄美諸島ほどではないがかなり温暖で,アコウ,ガジュマルなどが茂り,農作物の中心はサトウキビである。漁業では近海のカツオ漁業が盛んだったが最近は衰え,ただ初夏のトビウオ漁は現在も盛んである。本土からの船便はかつては鹿児島~屋久島~種子島~鹿児島の循環とその逆のコースがあったが,鹿児島港から西之表(種子島)と宮之浦(屋久島)へそれぞれ別々の航路となった。現在は両島を経由する便もある。両島間および屋久島~口永良部間は屋久島町営の小型の船が運行される。各島に空港があり,鹿児島から30~40分であるが,種子島と屋久島間は小型機が半チャーター的に航行しているだけである。一部は霧島屋久国立公園に属している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大隅諸島」の意味・わかりやすい解説

大隅諸島
おおすみしょとう

鹿児島県南部,鹿児島市から南方約 100~150kmの間に点在する薩南諸島の北部の諸島。馬毛島屋久島種子島口永良部島の 4島をいう。熊毛郡および西之表市に属する。種子島と馬毛島は古第三紀から新第三紀にかけての岩石と隆起サンゴ礁からなる低平な台地状地形。屋久島は古生層からなる高峻な島で,九州地方最高峰の宮之浦岳(1936m)がある。口永良部島は霧島火山帯に属し,火山の新岳(600m)などがある。気候は亜熱帯性で,ソテツビロウヘゴガジュマルなどが繁茂し,屋久島ではスギの原生林が残る。サツマイモ,サトウキビ,チャ(茶)などが栽培される。5~7月はトビウオの漁獲期。農漁業が主で,工業としては種子島などの製糖工業,屋久島のシリコン工業などがある。4島合計で面積 994.41km2。人口 5万1751(1996)。

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百科事典マイペディア 「大隅諸島」の意味・わかりやすい解説

大隅諸島【おおすみしょとう】

大隅半島の南に点在する島々。鹿児島県の種子島屋久島口永良部(くちのえらぶ)島・馬毛(まげ)島を指すが,広義には同県三島(みしま)村に属する竹島・硫黄(いおう)島黒島(口之三島と総称)を含める場合もある。薩南(さつなん)諸島のうち鹿児島県本土に最も近く,北緯30゜〜31゜の間に位置する。地質は熊毛(くまげ)層群とよばれる中生層を基盤とするが,口之三島は新生代第四紀の噴出と考えられる新期火山岩類が基盤である。
→関連項目鹿児島[県]南西諸島

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世界大百科事典(旧版)内の大隅諸島の言及

【薩南諸島】より

…内列は北部の黒島,硫黄島,竹島の3島と南の吐噶喇(とから)列島であるが,屋久島の西方にある口永良部島とともに火山島である。北部の種子島,屋久島は口永良部とともに熊毛郡に属し,大隅諸島ともいう。黒島,硫黄島,竹島の3島は第2次大戦前は吐噶喇列島とともに十島(じつとう)村を形成していたが,戦後北緯30゜以南の吐噶喇列島はアメリカの軍政下に入った。…

※「大隅諸島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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