日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャスタデージー」の意味・わかりやすい解説
シャスタデージー
しゃすたでーじー
Shasta daisy
[学] Leucanthemum maximum (Ramond) DC.
Chrysanthemum maximum Ramond
キク科(APG分類:キク科)の耐冬性多年草。キクの改良品種の一つで、アメリカで作出されたものである。種名のマクシマムmaximumはもっとも大きいという意味である。秋に根出葉だけのロゼット苗ができ、越冬して春先に茎が伸び、60~90センチメートルとなり、径8~10センチメートルで舌状花が白色で中心の管状花が黄色の頭花を頂生する。茎が太く堅いので曲がりにくく、切り花や花壇用にする。
品種は大輪の一重咲きが多いが、中心の管状花が大きくなった丁字(ちょうじ)形の八重咲き(銀河など)や、花弁が淡黄白色の八重咲き(コムバムゴールドなど)もある。繁殖は株分けにより、9~10月に行う。
[岡田正順 2022年2月18日]
文化史
アメリカの育種家ルーサー・バーバンクが1920年ごろ、4種の野生菊を交雑、選抜して育成した。交配親に使われたのは、北米に野生化していたフランスギクL. vulgare Lam.(C. leucanthemum L.)、ポルトガル原産のラクストレL. lacustre (Brot.) Samp.(C. lacustre Brot.)、ピレネー原産のマキシマムL. maximum (Ramond) DC.(C. maximum Ram.)、日本のハマギクNipponanthemum nipponicum (Fr. ex Maxim.) Kitam.(C. nipponicum Matsumura)で、ハマギクによって花が純白になった。ハマギクでなく、コハマギクとの説もある。シャスタの名は、インディオのことばで白を意味し、雪を頂くカリフォルニア州の霊峰シャスタ山にちなんだものである。また本種の作出者バーバンクの名をとり、学名をC. burbankii Makinoとする場合がある。
[湯浅浩史 2022年2月18日]