バーバンク(読み)ばーばんく(英語表記)Luther Burbank

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーバンク」の意味・わかりやすい解説

バーバンク
ばーばんく
Luther Burbank
(1849―1926)

アメリカの植物育種家。マサチューセッツランカスターに生まれる。父は農民で事業家。母から植物に対する愛好心を受け継いだが、大学教育は受けず、独学であった。1868年、出版されたばかりのダーウィンの『飼育栽培の下での動植物変異Variation of Animals and Plants Under Domesticationを読んで決定的な影響を受けた。同年、父の死去に伴い、彼は小さな農場を買って、市場向け園芸業を始めた。彼の最初の育成品種であるバーバンクポテトはこの時期の作品である。1875年カリフォルニア州へ移住、サンタ・ローザに定住して、その後の50年間、数多くの新品種を創出した。彼が手がけた植物は、スモモイチゴユリ、バラなど多数に上り、ダーウィンの学説を理論的基礎とした、バーバンクの育種の原則と方法は人類にとっての貴重な遺産である。1926年、進化論をめぐって超保守的なキリスト教徒との論争に巻き込まれ、死期を早めた。主著には『植物の育成』How Plants are Trained to Work for Man全8巻(1921)がある。

[渋谷寿夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バーバンク」の意味・わかりやすい解説

バーバンク
Burbank, Luther

[生]1849.3.7. マサチューセッツ,ランカスター
[没]1926.4.11. カリフォルニア,サンタローザ
アメリカの育種家。交配と集団淘汰法によって 800種以上の有用な新種を育成。 C.ダーウィンの著作『家畜および栽培植物の変異』に刺激されて,独学で植物の育種を研究,1873年にジャガイモの新品種バーバンクポテトを育成した。 75年にカリフォルニアのサンタローザに温室つきの育種園を開き,生涯をそこでの研究育種に尽した。種なしトマト,イチゴ,ブドウ,クルミ,クリ,とげなしサボテン,ダリアなど,多くの新種,改良種が世に出された。主著『バーバンクの方法と発見』 (12巻,1914~15) ,『植物育種法』 (8巻,21) 。

バーバンク
Burbank

アメリカ合衆国,カリフォルニア州南西部,ロサンゼルス近郊の都市。町の起源は 1867年ロサンゼルスの歯科医がヒツジの牧場をつくったことによる。1940年代映画スタジオやトラック製造工場ができ,ロサンゼルス大都市圏の一部として発展した。航空機製造工場などもある。ウォルト・ディズニー・プロダクションズ,ワーナー・ブラザース,コロンビア・ピクチャーズ,NBCテレビなどのスタジオが所在。人口 10万316(2000)。

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