アメリカの植物育種家。マサチューセッツ州ランカスターに生まれる。父は農民で事業家。母から植物に対する愛好心を受け継いだが、大学教育は受けず、独学であった。1868年、出版されたばかりのダーウィンの『飼育、栽培の下での動植物の変異』Variation of Animals and Plants Under Domesticationを読んで決定的な影響を受けた。同年、父の死去に伴い、彼は小さな農場を買って、市場向け園芸業を始めた。彼の最初の育成品種であるバーバンクポテトはこの時期の作品である。1875年カリフォルニア州へ移住、サンタ・ローザに定住して、その後の50年間、数多くの新品種を創出した。彼が手がけた植物は、スモモ、イチゴ、ユリ、バラなど多数に上り、ダーウィンの学説を理論的基礎とした、バーバンクの育種の原則と方法は人類にとっての貴重な遺産である。1926年、進化論をめぐって超保守的なキリスト教徒との論争に巻き込まれ、死期を早めた。主著には『植物の育成』How Plants are Trained to Work for Man全8巻(1921)がある。
[渋谷寿夫]
アメリカの植物育種家。マサチューセッツ州ランカスターに生まれ,独学で育種学を修めた。C.ダーウィンの進化論の影響を受けて,カリフォルニア州サンタ・ローザの農場で50年間にわたり,穀物,野菜,果樹,花卉,牧草,樹木など3000を超える新品種を育成したという。なかでもバーバンクジャガイモ,種なしスモモ,とげなしサボテン,芳香ダリアなどの育成は,彼の名を世界に広めるもととなった。その業績は大著《人類のために植物はいかに馴化(じゆんか)されるか》全8巻(1921),《方法と発見》全12巻(1914-15)に詳しい。数年間,スタンフォード大学で植物進化についての講師を務めた。オランダの植物学者H.ド・フリースは〈無類の,偉大な天才〉と称賛した。
執筆者:川田 信一郎
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