フランスギク(読み)ふらんすぎく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フランスギク」の意味・わかりやすい解説

フランスギク
ふらんすぎく
[学] Leucanthemum vulgare Lam.
Chrysanthemum leucanthemum L.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。名は、フランスの原野に野生が多いことによる。ヨーロッパ原産で、北アメリカ、ニュージーランドにも帰化し、牧草地の雑草となっている。秋から冬、ロゼット状に根出葉を広げる。茎は春先から抽薹(ちゅうだい)して高さ0.5~1メートルに伸長し、径5~6センチメートルの頭状花をつける。舌状花白色、管状花は黄色。八重咲きや広弁咲き、あるいは半球状に盛り上がるポンポン咲きの品種がある。12月中に咲きだす早生(わせ)種があるほか、促成も容易で、暖地では2~3月に切り花ができる。性質は強く、栽培も容易で土質を選ばない。繁殖は9~10月、株分けで行う。

[岡田正順 2022年4月19日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランスギク」の意味・わかりやすい解説

フランスギク
Chrysanthemum leucanthemum; oxeye daisy

キク科の多年草。ヨーロッパからカフカス地方にかけての原産で,観賞用に栽培され,南北アメリカなどでは牧場の雑草となっている。茎は高さ 60cm内外で直立し,ほとんど分枝しない。頭状花を茎頂や分枝した長い柄の先に,春から秋まで次々とつける。頭状花の直径は3~6cm,周辺の舌状花は白色で,中心の管状花は黄色である。痩果黒色で 10条の白色,鰭状の隆起線がある。冠毛は互いに合着して皿のようになり目立たない。江戸時代末期に渡来したといわれるが,繁殖力が強く各地に野生化しつつある。マーガレットシャスタデージーに似ているが別種である。

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百科事典マイペディア 「フランスギク」の意味・わかりやすい解説

フランスギク

ヨーロッパ原産のキク科の多年草。花壇,切花用として植栽される。根ぎわでよく分枝し群出する。根出葉は冬を越し,長柄のあるへら形で縁にあらい鋸歯(きょし)がある。高さ50〜90cmになり,上部の葉には柄がない。4〜5月,長い柄の先に径約5cmの頭花を開く。舌状花は白色。株分けでふやす。有名な交雑種シャスタデージーの原種の一つである。
→関連項目キク(菊)

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改訂新版 世界大百科事典 「フランスギク」の意味・わかりやすい解説

フランスギク

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世界大百科事典(旧版)内のフランスギクの言及

【マーガレット】より

…花の名としては国によってさす植物がちがい,英語のmargueriteはデージー(ヒナギク)(イラスト),ひいてはモクシュンギクをさし,フランス語ではデージーをさす。またドイツ語のMargeriteは,フランスギクをいう。Paris daisyの名は,この植物が初めフランスにおいて改良され園芸化されたことによる。…

※「フランスギク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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