シャルトルーズ(読み)しゃるとるーず(英語表記)chartreuse フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャルトルーズ」の意味・わかりやすい解説

シャルトルーズ
しゃるとるーず
chartreuse フランス語

フランスの最高級のリキュールで、「リキュールの女王」ともいわれる。大シャルトルーズ修道院でつくられており、原料製法はいまも公開されていない。修道院でつくられるブランデーをベースにして、これに百数十種の薬草が使用されるという。アンリ4世の式部官であったマレシャル・デストレのもとに、ある信者から届けられたリキュールの処方があまりにも複雑であったので、デストレはその処方をパリのシャルトルーズ教団に贈った。それをもとに、同派の神父であるジェローム・モーベック師が18世紀の中ごろにこのリキュールを完成させたといわれる。

 黄色、緑色無色の3種のタイプがあり、黄色のものはアルコール分43%で甘味が強く、緑色のものはアルコール分55%で甘味は弱い。無色のものはアルコール分71%で最高級品である。

[原 昌道]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャルトルーズ」の意味・わかりやすい解説

シャルトルーズ
Chartreuse

フランス南東部,アルプスの前山,グルノーブル北方の山地。カルトゥジオ修道会 (シャルトルーズのラテン名) 発祥の地で,大修道院ラグランドシャルトルーズがある。これは 1084年聖ブルーノが創建し (現在の建物は 14世紀以後のもの) ,カルトゥジオ会の精神を反映した堅固なものである。大革命以後,蔵書写本大部分はグルノーブルの図書館に移管されている。現在修道院は政府指定の史跡となっており,一般の訪問が許されていない。なおシャルトルーズ酒の名で知られる有名なリキュールは,この修道院の産である。

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