しゅんかん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「しゅんかん」の意味・わかりやすい解説

しゅんかん

鹿児島県郷土料理。しゅんかんは普茶料理のなかにある笋羹(しゅんかん)で、一種の野菜料理の名であるが、鹿児島では古くはイノシシの肉を加えるのが特色であった。現在は豚肉を用いてつくる。豚肉は一切れ80グラムぐらいに切ったものを1人前として、これを1時間ぐらい水煮する。ダイコンニンジンゴボウなどの野菜を乱切りにしておく。肉を煮た汁に浮く泡やかすをよくすくい取って、かつお節だし汁少々を加えたなかで野菜を煮て、適当な長さに切ったネギを加え、さっと煮る。しゅんかんには、春寒という当て字を用いることが多い。

多田鉄之助


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「しゅんかん」の解説

しゅんかん

鹿児島県の郷土料理。豚肉、タケノコなどを使った煮しめ。普茶料理にある根菜の煮物「笋羹(しゅんかん)」が殿様料理となり、庶民へと広まったものとされる。筍羹・春羹・春筍・筍寒などさまざまな表記がある。

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