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シュン

デジタル大辞泉の解説

しゅん【春】[漢字項目]

[音]シュン(呉)(漢) [訓]はる
学習漢字]2年
〈シュン〉
はる。「春季春日春宵初春惜春早春晩春陽春来春立春
正月。「賀春迎春新春
若く血気盛んな年ごろ。「回春青春
男女の愛欲。性欲。「春画春機春情春本売春
年月。「春秋
〈はる〉「春雨(はるさめ)小春初春
[名のり]あずま・あつ・かす・かず・す・とき・はじめ
[難読]春日(かすが)春宮(とうぐう)

はる【春】

四季の第一。の間で、日本では3・4・5月をいう。暦の上では立春から立夏の前日まで(陰暦正月から3月まで)をいい、天文学では春分から夏至まで。しだいに昼が長く、夜が短くなり、草木の芽がもえ出る。「暖かいの日ざし」 春》「窓あけて窓いっぱいの―/山頭火
《陰暦では立春のころにあたるところから》新年。正月。「新しいを迎える」
思春期青年期青春。また、思春期の欲情。「のめざめ」
人生の中で勢いの盛んな時期。また、最盛期。「人生の」「わが世のをうたう」
苦しくつらい時期のあとにくる楽しい時期。「わが家にめぐりくる
性行為。「をひさぐ」
[補説]作品名別項。→

はる【春】[作品名]

島崎藤村の自伝的長編小説。明治41年(1908)東京朝日新聞に連載ののち、同年に自費出版。著者自身や北村透谷平田禿木ら「文学界」創刊当時の同人たちをモデルに、青春の熱情と挫折を描く。
《〈ドイツ〉Frühlingssonateベートーベンのバイオリンソナタ第5番の通称。ヘ長調。1800年から1801年にかけて作曲。名称は明るくて華やかな曲想に由来する。スプリングソナタ
《原題、〈ドイツ〉Frühlingシューマン交響曲第1番。変ロ長調。全4楽章。1841年作曲。ザクセン王フリードリヒ=アウグスト2世に献呈
《原題、〈ドイツ〉Frühlingsquartettモーツァルトの弦楽四重奏曲第14番ト長調の通称。1782年作曲。「ハイドン四重奏曲」中の第1作。

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百科事典マイペディアの解説

春【はる】

天文学では春分(3月21日ころ)から夏至(げし)(6月22日ころ)まで,節気では立春(2月4日ころ)から立夏(5月6日ころ)の前日まで,慣習上は3〜5月をいう。

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日本文化いろは事典の解説

「はる」という言葉は「万物が発〔は〕る(発する)」「木の芽が張〔は〕る」「天候が晴〔は〕る」「田畑〔は〕る」などの意味を持ちます。天候に恵まれ、希望に溢れる季節を象徴しています。

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デジタル大辞泉プラスの解説

ドイツの作曲家ロベルト・シューマンの交響曲第1番(1841)。原題《Frühling》。ザクセン王フリードリヒ・アウグスト2世に献呈。

オーストリアの作曲家W・A・モーツァルトの弦楽四重奏曲第14番K387(1782)。原題《Frühlingsquartett》。『ハイドン四重奏曲』全6曲中の第1曲。

ドイツの作曲家L・v・ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番(1800-01)。原題《Frühling》。その明るく華やかな曲想から『スプリングソナタ』の名で親しまれている。

イタリア、ルネサンスの画家サンドロ・ボッティチェリの絵画(1482)。原題《La Primavera》。『ラ・プリマヴェーラ』とも呼ばれる。女神ヴィーナスを中心として、左側にヘルメスと三美神、右側に春の女神プリマヴェーラと花の女神フローラ、および西風のゼフュロスを描いたもの。『ヴィーナスの誕生』と並ぶ、ルネサンス期を代表する名画の一つとして知られる。フィレンツェ、ウフィツィ美術館所蔵。

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世界大百科事典 第2版の解説

はる【春 spring】

冬から夏への漸移期にあたる季節をいう。春の時期は時代や国または地域により異なる。古代中国では立春(太陽の黄経が315゜になる日)から立夏(同45゜)の前日までを春と呼んだ。現在の分け方は西欧流のもので,北半球では春分(同0゜)から夏至(同90゜)の前日までである。慣習上は,北半球では3,4,5月,南半球では9,10,11月が春である。春の気候的特徴は,季節の進行にともなう気温の急上昇である。実際の天候推移に基づいて区分した自然季節の春の期間は地域によりまちまちである。

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大辞林 第三版の解説

はる【春】

四季の一。冬と夏の間の季節。現行の太陽暦では3月から5月まで。陰暦では正月から3月まで。また、二十四節気では立春から立夏の前日まで。天文学上では、春分から夏至げしの前日まで。昼が長く、夜が短くなる。一年中で最も陽気がよく植物の発育期にあたる。 「冬が過ぎて-が来る」 [季] 春。
正月。新春。 「初-」
勢いの盛んな時期。 「わが世の-を謳歌する」
青春期。思春期。性的な感情を抱き始める年ごろ。 「 -にめざめる」
色情。春情。 「 -をひさぐ」
[句項目]

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


はる

四季の一つ。冬と夏の間で、立春(2月4日ごろ)から立夏(5月6日ごろ)の前日までをさす。天文学上は春分から夏至(げし)までが春で、気象学上は陽暦の3、4、5月が春である。なお南半球では半年遅れで9、10、11月が春となる。春を三つに分け初春、仲春、晩春を三春という。
 季節としての春の特徴は次のとおりである。
(1)しだいに昼が長く、夜が短くなる時期にあたる。
(2)気温はしだいに上昇していくが、単純に上昇するわけではなく、寒暖には一進一退があり、これが「寒の戻り」の現象として知られている。春にはまた冬の名残(なごり)の西寄りの風が吹く。涅槃西風(ねはんにし)、比良八荒(ひらはっこう)、貝寄せなどとよばれる風であるが、これらはいずれも長続きしない。
(3)緯度が高くなると、春と秋の期間は短くなり、夏と冬の期間がしだいに長くなる。このため、高緯度地方ではさまざまな花の開花が、5、6月に集中する。
(4)日本では冬の季節風降雪はやみ、温帯低気圧の通過によって、ほぼ周期的に雨が降るようになる。そして一雨ごとに暖かくなる。
(5)気温と湿度の上昇に伴われ、春の天気には特有の霞(かすみ)、おぼろ、暈(かさ)、煙霧など、地面付近の視程を妨げるような現象がおこる。
(6)サクラなどの開花前線の北上が注目されるのも春の特徴であるが、夏鳥、冬鳥の渡りもこのころである。
(7)冬の間、大陸で発達した高気圧が、春になると一部が分離し、移動性高気圧となって日本付近を東進する。この移動性高気圧とともに大陸の黄土高原からの黄沙(こうさ)(砂)が飛来し、空を黄色に濁らせることがあり、黄砂が名残の雪とともに降ると赤や黒に色づき、そのような雪は雪解けを早めるので、農家の人々には喜ばれる。移動性高気圧が本邦付近を東進するとき、その中心がやや北に偏る(いわゆる北高型)と天気はあまりよくならず、春陰(しゅんいん)の天気となる。これはまた花曇りともよばれる天気である。
(8)春先は山に残雪がみられる。山肌の模様は、残雪の形と、露出した岩を注目する場合があり、ともに春先の農作業開始の目印としている場合が少なくない。[根本順吉]

文学の主題として

四季のなかでも、春・秋は夏・冬よりも重視され、勅撰(ちょくせん)集のほとんどが春・秋の部立(ぶだて)に夏・冬に倍する巻数をあてている。『源氏物語』の六条院(ろくじょういん)では、春・秋の町が南表に位置し、紫の上と秋好(あきこのむ)中宮がそれぞれ春・秋の季節を代表して優劣を競い合い、花散里(はなちるさと)や明石(あかし)の君の住む夏・冬の町は北裏の背後に押しやられている。早くから春・秋の優劣を論じることが、人々の風雅な話題になっていた。四季の意識はすでに『万葉集』から巻8、巻10の四季の雑歌(ぞうか)・相聞(そうもん)という部立にみられ、歌材としては、早蕨(さわらび)、呼子鳥(よぶこどり)、梅、春山、春菜、菫(すみれ)、山桜、春雪、馬酔木(あしび)、桜、鶯(うぐいす)、山吹、霞(かすみ)、春雨(はるさめ)、陽炎(かげろう)、浅茅(あさぢ)、春野、卯(う)の花、藤(ふじ)、葛(くず)、なのりそ(ホンダワラか)などが詠まれている。季節感としては、「月数(よ)めばいまだ冬なりしかすがに霞たなびく春立ちぬとか」(巻20・大伴家持(おおとものやかもち))などに立春の霞のような類型化の萌芽(ほうが)をみる。『古今集』で「春」に関連する語句を拾うと、春べ、春の日、春の夜、春の心、春の調べ、春の行方、春の野、春霞、春の雪、春雨などがあり、春霞や春雨が用例として多い。『古今集』の春の部立には、立春、春の雪、鶯、解氷、若菜、霞、草木の緑、柳、百(もも)ち鳥(どり)、呼子鳥、帰雁(きがん)、梅、桜、花、藤、山吹、惜春などの歌がほぼ季節の進行にしたがって配列され、四季としての春の意識が類型として固定したことがうかがわれる。春と秋とを比較した場合、伝統的には春よりも秋が重視されていた感があるが、『古今集』に至って春と秋とが均等に扱われるようになった、といってもよい。『枕草子(まくらのそうし)』で脚光を浴びた「春の曙(あけぼの)」が歌語として定着するのは『千載(せんざい)集』や『新古今集』になってからのことで、「又や見む交野(かたの)のみ野の桜狩花の雪散る春の曙」(『新古今』春下・藤原俊成(しゅんぜい))などと詠まれている。『古今六帖(こきんろくじょう)』第一・歳時「春」には、春立日(はるたつひ)、睦月(むつき)、元日、残雪、子日(ねのひ)、若菜、白馬(あおうま)、仲春、弥生(やよい)、3日、暮春の項目が掲げられ、これらの歌題が、のちに季題となって継承されていき、日本人の春に対する季節意識の基盤を形成することとなる。[小町谷照彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のの言及

【季節】より

…地球は太陽のまわりを1年かかって公転しているが,地球の自転軸が公転面に対して約23度30分傾いているため,北半球についてみれば,夏至には太陽高度が最も高くて,昼間の時間が最も長く,地表で受け取る太陽エネルギーの量も最大となるのに対し,冬至には反対に,昼間の時間が最も短く,太陽エネルギーも最小になる。春分と秋分には昼夜の時間は等しく,太陽エネルギーの量は夏至と冬至の中間になる(図1,図2)。 昼夜の時間および気温の季節的な差は低緯度地方では小さく,緯度が増加するにつれて大きくなる。…

※「春」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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