ジアセチル(読み)じあせちる(英語表記)diacetyl

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジアセチル」の意味・わかりやすい解説

ジアセチル
じあせちる
diacetyl

ビアセチル、2,3-ブタンジオンともよばれ、脂肪族α(アルファ)-ジケトンの代表である。ベチバ油、イリス油、アンゲリカ根油などの植物精油に含まれている。メチルエチルケトンを二酸化セレンで酸化すると生成する。特有なにおいをもつ黄色の液体エタノールエチルアルコール)、エーテルなどの有機溶媒と任意の割合で混じり合い、水にもよく溶ける。薄めるとバターに似たにおいを発するので、マーガリン香料に用いる。ジアセチルのジオキシムをジメチルグリオキシムといい、ニッケルの分析試薬としての用途をもつ。

[廣田 穰]

『井上喬著『ジアセチル――発酵飲食品製造のキーテクノロジー』(2001・幸書房)』


ジアセチル(データノート)
じあせちるでーたのーと

ジアセチル
  CH3COCOCH3
 分子式 C4H602
 分子量 86.1
 融点  -2.4℃
 沸点  86.5℃~87.5℃/750mmHg
 比重  0.990(測定温度15℃)
 屈折率 (n)1.3910

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジアセチル」の意味・わかりやすい解説

ジアセチル
diacetyl

化学式 CH(CO)2CH3 。キノン様の臭気があり,希釈すればバターのような香気を発する。ベイ油 (bayoil) などの精油に存在する。黄緑色の液体。沸点 88℃,融点-2.4℃。水溶性。マーガリン,コーヒーなどの食品の香料として使われる。

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