ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジェルソン」の意味・わかりやすい解説
ジェルソン
Gerson, Jean Charlier de
[没]1429.7.12. リヨン
中世後期フランスの最も卓越した教会指導者,神学者。ラテン名 Johannes Gersonius。「最もキリスト教的なる博士」といわれる。アイイの弟子で,1395年師を継いでパリ大学総長。ヨーロッパの大離教の解決に精力を注ぎ,公会議首位説に立ってピサ教会会議 (1409) を公会議として支持し,コンスタンツ公会議 (14~18) にのぞんで指導的役割を果した。フスの断罪を説く J.プチ排斥にも参画。また教会の改革のために祈りと犠牲の必要を説いた。神学的には神の意志の絶対性を中核に悔悛と謙遜を説き,単純で純粋な信仰を求めて,聖書と教父に帰ることを主張した。またボナベントゥラやサン・ビクトル派の影響を受けて神秘主義に近づき,『キリストにならいて』の作者に擬せられたこともある。主著"Contra vanam curiositatem in negotio fidei""Traité contre le Roman de la Rose" (02) ,"Consolatio theologiae" (18) 。
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