ジュアンドー(読み)じゅあんどー(英語表記)Marcel Jouhandeau

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジュアンドー」の意味・わかりやすい解説

ジュアンドー
じゅあんどー
Marcel Jouhandeau
(1888―1979)

フランスの小説家。自身を描く「ゴドー氏」Monsieur Godeauを中心に、架空の田舎(いなか)町シャミナドゥールに生活するさまざまな人々の苦悩に満ちた内面を、皮肉な寓意(ぐうい)を込めた神秘的新(ネオ)ロマン主義とよばれる文体で克明に描く作品群が大半を占める。『テオフィルの青春』(1921)、『パンサングラン家の姉妹』(1925)、『ゴドー氏の内面』(1926)、『結婚したゴドー氏』(1933)、『シャミナドゥール』3巻(1934~41)、『夫の記録』(1938)、『アンリ伯父』(1943)などがある。また、信仰者的あるいはモラリスト的観察に基づく多数の評論のほか、直接自己を語る『回想』7巻(1950~72)、『日づけのない日記』28巻(1961~83)などがある。

[長澤孝廣]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジュアンドー」の意味・わかりやすい解説

ジュアンドー
Jouhandeau, Marcel

[生]1888.7.26. ゲレ
[没]1979.4.7. パリ郊外
フランスの小説家。ゴドー Godeauという人物主人公とする一連の神秘的な小説によって,一部批評家にその才能を高く評価されている。主著,3部作『シャミナドゥール』 Chaminadour (1934~41,決定稿 68) 。

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