ジョーゼット(読み)じょーぜっと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジョーゼット」の意味・わかりやすい解説

ジョーゼット
じょーぜっと

ジョルジェット・クレープgeorgette crêpe(フランス語)の俗称。経緯(たてよこ)とも強撚糸(きょうねんし)を使った薄地の縮緬(ちりめん)で、経緯縮緬ともいい、絹織物として生まれたが、現在では化合繊のものが多く市場に出回っている。経緯ともに1メートル間2500~3000回ぐらいの強撚糸を用い、経緯とも右撚(よ)りと左撚りのものを、2本ずつ交互に配列して平織に織り、織り上げたのち精練して、しぼを出した織物である。1913年、フランスで創始され、日本では桐生(きりゅう)と福井で織り出された。漂白したもののほか、無地染め、捺染(なっせん)などの加工を施し、ベール、肩掛け、ドレス、ランプシェードカーテンなどに用いられている。

[角山幸洋]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョーゼット」の意味・わかりやすい解説

ジョーゼット
georgette

ジョーゼット・クレープともいう。経・緯糸に強撚糸を2本ずつ交互に使用した比較的密度の粗い平織,またはこれに類以した縮緬 (ちりめん) 効果を応用した織物。繊維は絹のほか,綿,羊毛人造繊維を用いる。柄は無地,縦縞格子,プリント模様。クレープ状の伸縮性としぼによる独特の材質感をもつ。用途は婦人服,ベール,ショール地。名称は,フランスの婦人服商ジョーゼット夫人の名に由来する。

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