薄手(読み)うすで

精選版 日本国語大辞典 「薄手」の意味・読み・例文・類語

うす‐で【薄手】

〘名〙
① 浅い傷。軽い傷。浅手(あさで)。⇔深手
平家(13C前)九「小次郎がうす手負たるをだに、直実は心ぐるしうこそおもふに」
② (形動) 物の厚みが比較的少ないこと。また、そのさま。⇔厚手
※いさなとり(1891)〈幸田露伴〉六五「其薄手(ウステ)猪口より脆く」
③ (形動) がんじょうさがなく、弱々しいさま。
洒落本・妓情返夢解(1802)一「うすでな生れのてめへゆへ」
④ (形動) 物事内容が貧弱で安っぽいさま。
※門(1910)〈夏目漱石〉一九「宗助は〈略〉自分丈の解答は準備してゐた。けれども、それは甚だ覚束ない薄手(ウスデ)のものに過ぎなかった」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「薄手」の意味・読み・例文・類語

うす‐で【薄手】

[名・形動]
紙・織物陶器などの厚さが薄いこと。また、そのさま。「薄手茶碗」「薄手生地」⇔厚手
内容などが浅くて安っぽいこと。また、そのさま。「薄手評論
戦いなどで受けた、軽い傷。浅手。
「同じ所にいながら、―一つ負わなかった」〈芥川偸盗
[類語](1薄い希薄薄っぺら薄めうっすら薄べったい薄地薄口/(3軽傷浅手無傷かすり傷軽症

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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