コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

じんま疹 じんましん urticaria

翻訳|urticaria

3件 の用語解説(じんま疹の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

じんま疹
じんましん
urticaria

膨疹,発斑ともいう。真皮上層に限局性,一過性の浮腫で,扁平に隆起し,その形状はいろいろある。多くは紅色であるが,白色のものもある。かゆみがあり,掻くことで病変を生じ,短時間 (30分~2時間) で消失するものが多い。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

家庭医学館の解説

じんましん【じんま疹 Urticaria】

◎いくつかの種類がある
[どんな病気か]
 じんま疹は10~20%の人が一生に一度は経験するといわれるほど多い皮膚の病気です。皮膚に小さな膨(ふく)らみ(膨疹(ぼうしん))が急にでき、それがいろいろな形、大きさに広がり、周囲には赤み(紅斑(こうはん))がみられます。そして強いかゆみがあります。ふつう、これらの症状は数時間以内に消えますが、なかには1日以上残るものもあります。症状が激しいときには、まれに、のどの粘膜(ねんまく)が腫(は)れ、呼吸困難になることもあります。
●じんま疹の種類
 じんま疹にはいくつかの種類があります。ふつうにみられるじんま疹(1か月以内に治ってしまう急性(きゅうせい)じんま疹と、それ以上たっても治らない慢性(まんせい)じんま疹があります)のほかに、皮膚をかくと出る機械性(きかいせい)じんま疹(人工(じんこう)じんま疹)、冷たいものに触れると出る寒冷(かんれい)じんま疹、汗をかく状態になると出るコリン性じんま疹、日光に当たると出る日光(にっこう)じんま疹、さらになにかの物質(たとえば牛乳など)が触れたところから出る接触(せっしょく)じんま疹などがあります。
 ほかにもいくつかありますが、以上が日常よくみかけるものです。まぶたや唇(くちびる)、外陰部などが腫れるクインケ浮腫(ふしゅ)(血管性浮腫(けっかんせいふしゅ))もじんま疹の1つです。
●じんま疹がおこるしくみ
 じんま疹がおこるしくみにはいくつかあります。大きくアレルギー性とアレルギー性でないものとに分かれます。
 アレルギー性のものはIgE(免疫(めんえき)グロブリンE)という血清(けっせい)中の抗体(こうたい)が関係しています。たとえば、食べ物の成分(抗原(こうげん))に対するIgE抗体がからだの中にできると、皮膚のマスト細胞の細胞膜上で抗体と抗原との反応がおこり、そのマスト細胞からヒスタミンという物質が出て、じんま疹がおこるのです。
 ほかにもいろいろなかたちでIgEがじんま疹の発症にかかわっていることがわかってきています。
 また、補体と呼ばれる物質がアレルギー反応によって活性化されておこるじんま疹もあります。この場合は膨疹や紅斑が長く残り、ときに膠原病(こうげんびょう)などの全身性疾患にかかっている可能性もあります。
 麻薬類やある種の抗生物質などが、アレルギー反応をおこさないでマスト細胞からヒスタミンを出させ、じんま疹をおこすこともあります。また、アスピリンや非ステロイド系消炎鎮痛薬、アゾ色素などは、じんま疹を悪化させることがあります。
 さらに最近、精神的ストレスによって神経末端から出る神経ペプチドという物質も、じんま疹をおこす可能性のあることがわかってきました。
[原因]
 じんま疹はいろいろな原因でおこります。たとえば、薬物、食物、感染(細菌、ウイルス、真菌(しんきん)など)、虫刺され、物理的な刺激、心因(精神的ストレス)、そしてほかの病気に合併するものなど、じんま疹をおこす引き金になるものはきわめてたくさんあります。
 急性じんま疹では比較的原因を見つけやすいのですが、慢性じんま疹ではなかなか原因がわからないことが多いのです。さらに、全身性疾患の初発症状として、あるいはその部分症状としてじんま疹がおこることもあります。じんま疹をおこす全身性疾患には、膠原病、血管炎、免疫異常、感染症、血清病、薬疹(やくしん)・中毒疹(ちゅうどくしん)、内臓悪性腫瘍(しゅよう)、消化器病変などいろいろなものがあります。
[検査と診断]
 じんま疹の診断は、その症状からさほどむずかしくはありません。しかし、じんま疹がおこるしくみや原因を探しだせないことはしばしばあります。じんま疹の原因は、検査をすればすぐわかるというものではないのです。そこで、検査を受けるときには、じんま疹が出るときの状況、じんま疹の症状や経過、体調などをできるだけ詳しく医師に伝えることがとてもたいせつです。医師はそれらの情報をもとにして、どのような検査をすればよいかを決めるのです。
◎慢性の場合は根気よく治療
[治療]
 じんま疹の治療でもっともたいせつなことは、原因を見つけ、それを取り除くことです。しかし、じんま疹、とくに慢性じんま疹では、原因を見つけ出すことがむずかしいことが多いため、まず薬物によって症状を抑える対症療法が行なわれます。
 日常みられる多くのじんま疹はヒスタミンによっておこるものです。そこで、薬物療法としてはヒスタミンの作用を抑える抗ヒスタミン薬(H1ブロッカー)がまず選ばれます。たくさんの製剤がありますが、それぞれの薬の効果や副作用(眠けなど)の現われ方には個人差があるため、漫然と同一の薬を使うのではなく、常にその薬剤の効き方や副作用をチェックしておくことがたいせつです。
 慢性じんま疹の場合、かなり長期間、抗ヒスタミン薬を服用することになります。じんま疹がおこったときだけ服用するのではなく、症状がないときでも2週間程度続けて服用し、医師の指示によってしだいに減量していきます。抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬も同様に使用されます。
 副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン(ステロイド)薬の服用や注射による全身投与は、症状が激しいときや、特別な型のじんま疹に対してだけで、通常のじんま疹には使われません。
 そのほかにもいくつかの治療法がありますが、専門医の指示に従って行なうことがたいせつです。
[日常生活の注意]
 じんま疹を悪化させる因子、たとえば、飲酒、解熱鎮痛薬の使用、高温、ストレスなどを避けるように心がけましょう。また、自分自身で悪化因子に気づいたときには、いうまでもなく、それを避けるようにしましょう。
 じんま疹、とくに慢性じんま疹は難治性のやっかいな病気ですが、けっして治らないわけではありません。専門医を受診し、正しく診断してもらい、医師の指示に従って適切な治療を根気よく続ければ、たいてい軽快します。

出典|小学館
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

じんま疹
じんましん

真皮の浮腫(ふしゅ)(むくみ)によって皮膚が限局性にやや扁平(へんぺい)に隆起する皮膚病で、かゆみを伴い、一過性に出現消退を繰り返す特徴をもつ。このじんま疹の発疹を膨疹(ぼうしん)とよび、表在性の微細な血管が拡張してその血管壁の透過性が増し、漿液(しょうえき)および血球(多核白血球や好酸球など)が血管外に漏出して皮膚組織中にたまったものである。じんま疹はその経過によって急性型と慢性型に分けられる。急性じんま疹は、1日数回の発作性に生じる膨疹が、しだいに減少し、数日から数週間で通常は治癒するが、慢性じんま疹は少なくとも1か月以上、数か月から数年にわたって発作を繰り返す。
 じんま疹は皮膚病のなかでもっともありふれたものの一つで、原因不明の慢性型が多い。男女ともどの年齢層の者にも生ずるが、一般に20歳代と30歳代に多く、男性に比べて女性に多い。激しいかゆみを伴った膨疹が急に発作性に生じ、数分後あるいは数時間後に痕跡(こんせき)を残さずに消失する。膨疹の形は種々で、環状、花環(はなわ)状、地図状などを示すが、典型的なものは円形や楕円(だえん)形、あるいは線状の白っぽい隆起として現れ、それを取り巻いて赤い輪をつくる。大きさは爪甲(そうこう)大から手のひら以上にもなり、さらに広範囲に生ずることもある。膨疹が粘膜面に生ずると、その部位によっては喘息(ぜんそく)様発作、腹痛、かれ声などのほか、呼吸困難をおこすことさえある。食道粘膜に生ずると、食物が通りにくくなる。重症では血圧が低下し、循環ショックの状態となり、救急的治療が必要となる。[伊崎正勝・伊崎誠一]

原因

多種多様の原因があげられる。じんま疹はしばしばアレルギー性の機序で発症するものと思われているが、非アレルギー性の場合も多い。すなわち、体外から作用する、寒冷、温熱、日光、機械的な刺激などによるじんま疹がそれである。その他モルヒネ、アトロピン、キニーネ、アスピリン、サリチル酸などの薬剤の性質そのものを原因とするもの、および精神的刺激が原因で生ずる精神性じんま疹は、非アレルギー性のじんま疹である。アレルギー性じんま疹の原因と思われるものとしては、サバ、ブリ、カツオ、アジなどのいわゆる青い魚、エビ、カニ、カキの類(たぐい)、豚肉およびベーコン、ハム、ソーセージなどの豚肉製品、チーズ、卵、牛乳などの動物性食品、タケノコ、キノコ、ヤマノイモ、サトイモなどの野菜類、クリ、クルミなどの木の実類、イチゴ、リンゴ、バナナ、マンゴー、キウイフルーツなどの果実類、そのほかパン、そば、ビール、ぶどう酒などがある。これら食品のほかにも、ペニシリン系、セファロスポリン系やその他の抗生物質などの薬剤をはじめ、室内のほこり、羽毛類、花粉類など吸入されるもの、腸内細菌叢(そう)や寄生虫(とくに回虫)、ピロリ菌が原因となることもある。保存剤などの食品添加物が原因のこともある。口腔アレルギー症候群や食物依存性運動誘発性アナフィラキシーなどもじんま疹の一型である。[伊崎正勝・伊崎誠一]

治療

一般的には抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤の内服が有効である。原因が明確に判明すれば原因の除去あるいは原因に対する治療がたいせつであるが、実際には原因不明のことが多いため、対症療法を長く続けざるをえないことが多い。重症型のものではさらに副腎(ふくじん)皮質ホルモン剤の投与が必要な場合もある。最重症型ではアナフィラキシーショックとなり救急的処置が必要である。[伊崎正勝・伊崎誠一]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

じんま疹の関連キーワードカカリ血液透析レジンサブタイプチャート(罫線)Zプライムボソンモザイク病(アカクローバ)モザイク病(シロクローバ)モザイク病(クリムソンクローバ)Doctoral Degree

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

じんま疹の関連情報