スエード(読み)すえーど(英語表記)suède フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スエード」の意味・わかりやすい解説

スエード
すえーど
suède フランス語

子牛、山羊(やぎ)、羊などの皮をクロムなめしし、皮面をサンドペーパーなどでこすって毛羽立てて、ビロードのように柔らかい手触りに仕上げた革。そのビロード状の面を表にして、靴の甲革、ハンドバッグ衣服手袋などに用いられる。毛足が細く短く柔らかいものが好まれ、子牛皮を用いたものをスエードカーフ、子山羊皮製をスエードキッドという。毛足の長いものはベロアとよび区別している。ベロアは成牛皮を用いたものが多い。また、木綿や合成繊維を起毛し、スエード革に似せたものもスエードといい、手袋などに使われる。語源フランス語で、国名スウェーデンの意といわれる。

[田中俊子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スエード」の意味・わかりやすい解説

スエード
suède

子ヤギ,子ウシなどの皮の内面バフ (サンドペーパー) で細かい毛羽 (けば) を一面に立てた柔らかいなめし皮。靴,ハンドバッグ,手袋,ベルト用。なお,成牛革の内面を毛羽立たせたものをベロア,革の表面 (銀面) を毛羽立たせたものをヌバック,シカ皮 (buck) を毛羽立たせたものをバックスキンと呼ぶ。

スエード
suède

織物の1種で,皮革スエードのような外観,触感に仕上げ加工したもの。おもに綿や化学繊維などを二重織の厚手の生地にし,表面に細かい毛羽立て加工を施す。用途紳士・婦人用コート,ジャンパー,手袋,靴甲布,ハンドバッグなど。スエードはフランス語でスウェーデンの意で,スウェーデン製の手袋に始った名称。

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