ロスコ(読み)ろすこ(英語表記)Mark Rothko

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロスコ」の意味・わかりやすい解説

ロスコ
Rothko, Mark

[生]1903.10.7. ドビンスク
[没]1970.2.25. ニューヨーク
ロシア生れのアメリカの画家。 1913年家族とともにアメリカに移住し,エール大学アート・スチューデンツ・リーグで学んだ。 1940年代に入ってシュルレアリスムの影響を受け,有機形態を記号化したような絵をかき,47年頃からは空間に色面が浮んだような作品を描いた。 50年代になり大画面に2つまたは3つの色面を水平に配列した作品を制作。輪郭のにじんだ色面が背景に漂うように融合する作品で,抽象表現主義の画家として広く知られるようになった。 58年から壁画も手がけ,のちに「ロスコ・チャペル」と呼ばれるようになったヒューストン教会の壁画などがある。 70年自殺した。主要作品『赤,茶色,黒』 (1958,ニューヨーク近代美術館) など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロスコ」の意味・わかりやすい解説

ロスコ
ろすこ
Mark Rothko
(1903―1970)

アメリカの抽象画家。ロシアのドビンスクに生まれる。1913年に家族とともに合衆国のオレゴン州ポートランドに移住し、その後、エール大学とアート・スチューデンツ・リーグに学んだ。29年から作品を発表し、36~37年には連邦美術計画の仕事に従事。初期にはシュルレアリスムの影響を受けた作品を制作したが、第二次世界大戦後、独自の作風を確立して抽象表現主義の代表的画家となった。単純で普遍的な形態を追求したその絵画は、大きなカンバスの内側を四角形や帯状矩形(くけい)でくぎった色面構成からなり、芒洋(ぼうよう)とした広がりと瞑想(めいそう)的な静けさをたたえている。

[石崎浩一郎]

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