スポット市場(読み)スポットシジョウ

デジタル大辞泉 「スポット市場」の意味・読み・例文・類語

スポット‐しじょう〔‐シヂヤウ〕【スポット市場】

直物じきもの為替取引や、原油石油製品当用買いなどが行われる市場

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精選版 日本国語大辞典 「スポット市場」の意味・読み・例文・類語

スポット‐しじょう‥シヂャウ【スポット市場】

  1. 〘 名詞 〙 売買契約成立と同時に現物の受け渡しがされる前提で、取引条件が決定される市場。原油取引などで、当用買いが行なわれる市場。

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改訂新版 世界大百科事典 「スポット市場」の意味・わかりやすい解説

スポット市場 (スポットしじょう)

スポットspotは現物,現場などを意味し,将来の一定の時期に売買対象となる商品の受渡しをする先物市場に対し,売買契約と同時に現物の受渡しをする市場をいう。また原油,石油製品などでは長期契約と区別して当座必要な分を手当てする当用買いをスポットと呼び,その市場をスポット市場という。長期契約では価格はあらかじめ,売手買手先行き需給予測に基づいて決められるが,とくに売手の市場支配力が強い場合にはその価格は硬直的になりがちである。これに対しスポット市場ではその時々の需給を敏感に反映して取引される結果,スポット価格が硬直的な長期契約価格の改定を促すきっかけになる。1973年10月6日勃発した第4次中東戦争をきっかけに,それまでメジャーと呼ばれる巨大国際石油資本と話し合って決められていた原油価格は,中東産油国を中心とするOPEC石油輸出国機構)が一方的に通告する決定方式に移り,いわゆる石油危機が発生した。この間,いったん産油国の手を離れた原油が需給に応じて転売される量が徐々に増え,原油のスポット市場が形成されていった。ロッテルダムロンドンニューヨークなどがその代表例である。また石油製品も各消費国でスポット市場が拡大した。83年3月,OPECが結成以来初めて原油値下げに踏み切ったのは,需給緩和を織り込んだスポット市場におけるスポット価格の動向を追認したものといえる。
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百科事典マイペディア 「スポット市場」の意味・わかりやすい解説

スポット市場【スポットしじょう】

本来,スポットspotは〈現物〉〈現場〉などの意で,先物市場(先物取引)に対して契約と同時に現物の受渡しをする市場のこと。一般に原油,石油製品の取引で,長期契約と区別した当用買いをスポットといい,その市場をスポット市場と呼ぶ。ニューヨークやロッテルダムなどが大きなスポット市場となっている。ここで決定される原油価格が石油の需給状態を敏感に反映するため,国際石油市場における価格決定にも大きな影響をおよぼす。1983年以降にスポットの比率が急激に高まり,OPEC(石油輸出国機構)の原油販売の大部分がスポットかスポット価格に連動したものとなっている。
→関連項目北海油田

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