スーパーフード(読み)すーぱーふーど(英語表記)superfood

翻訳|superfood

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スーパーフード」の意味・わかりやすい解説

スーパーフード
すーぱーふーど
superfood

おもに植物由来の健康食品に関するマーケティング用語の一つ。人が一般的に摂取している食品よりも、低カロリーでありながら、必須(ひっす)栄養素や健康によいとされる栄養分を豊富に含む食品の総称として用いられている。果実の場合はスーパーフルーツともいう。1980年代にアメリカやカナダで機能性食品や栄養補助食品の一種として、抗酸化作用や健康を維持するうえで優れた特性をもつ果実や野菜が注目され、これらがスーパーフードやスーパーフルーツの名で広まった。2000年以降、アメリカでスーパーフードを紹介した書籍が出版されたり、セレブリティ(著名人)が好む食品として世界的に話題になるなど、世界各地の珍しい品種のスーパーフードが次々と紹介されるようになった。日本でもザクロアサイーをはじめ、オセアニアのノニ(和名ヤエヤマアオキ)、東南アジアマンゴスチンなどがスーパーフードとして知られるようになり、その食材から加工食品までが、広く市場で販売されている。

 しかし、スーパーフードは健康に効果があるとされる成分を多分に含んでいるものの、それを摂取した場合の具体的な効果や摂取すべき量などの点で、科学的根拠をもたないことが多い。また、スーパーフードということばの定義自体もあいまいな状態である。2014年(平成26)に設立された一般社団法人日本スーパーフード協会では、アメリカやカナダでスーパーフードとされているもののうち、重要とされる品種を「プライマリースーパーフード10」として紹介している。それによると、(1)スピルリナ、(2)マカ、(3)クコの実、(4)カカオ、(5)チアシード、(6)ココナッツ、(7)アサイー、(8)カムカム(果実の一種)、(9)ブロッコリースーパースプラウト、(10)麻の実、となっている。また、同協会では「ジャパニーズ・スーパーフード」として、納豆、味噌(みそ)、甘酒緑茶を紹介している。これらの食品はいずれも、栄養バランスに優れたものや特定の成分を豊富に含むものである。

[編集部 2016年10月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例