スーポー(読み)すーぽー(英語表記)Philippe Soupault

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スーポー」の意味・わかりやすい解説

スーポー
Soupault, Philippe

[生]1897.8.2. セーヌエオアーズ,シャビル
[没]1990.3.12. パリ
フランスの詩人ジャーナリスト。 1919年 A.ブルトン,L.アラゴンとともに雑誌『文学』を創刊,同誌上にブルトンと共作の最初のオートマティスムによる作品『磁場』 Les Champs magnétiquesを発表,初期のシュルレアリスムに決定的な役割を果した。次第にグループから遠ざかって,小説『好人物』 Le Bon Apôtre (1923) ,詩集ジョージア』 Georgia (26) などを著わす。詩作集大成『詩集-1917~73年』 Poèmes et Poésies1917-1973 (73) のほか,アポリネール (28) ,ロートレアモン (29) ,ボードレール (31) ,ラビッシュ (45) などのすぐれた作家論がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スーポー」の意味・わかりやすい解説

スーポー
すーぽー
Philippe Soupault
(1897―1990)

フランスの詩人、作家。パリ近郊のシャビルに生まれる。第一次世界大戦中にアラゴンらと知り合い、若き前衛詩人グループを形成。1919年、ブルトンとともに自動記述の実験を行う(『磁場』1920)。翌年からはダダ運動に参加、のちシュルレアリスムの一員となるが、しだいに離反し、大衆的な作家に変貌(へんぼう)。『水族館』Aquarium(1917)以後多くの詩集を、『善き使徒』Le Bon Apôtre、『流れのままに』À la dérive(ともに1923)以後多くの小説を発表した。

巖谷國士

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例