セラミック・コーティング(読み)せらみっくこーてぃんぐ(その他表記)ceramic coating

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

セラミック・コーティング
せらみっくこーてぃんぐ
ceramic coating

部材表面セラミックス(無機質材料)で被覆コーティング)すること。セラミック・コーティングには、イオンプレーティングion plating、真空蒸着、スパッタリングsputtering(イオンをセラミックスに照射して飛散したセラミックスを付着させる)などの物理気相法(PVD:Physical Vapor Deposition)や、熱、プラズマ、光などを使った化学気相法(CVD:Chemical Vapor Deposition)、プラズマ溶射機を用いてセラミックスを高温で溶融させて部材表面に吹き付ける溶射法(thermal spraying)などがある。セラミック・コーティングにより、金型、工具、機械部品などの耐摩耗性、耐熱性、絶縁性、放熱性等を向上させることができる。また、パルスレーザー堆積法(PLD:Pulsed Laser Deposition)、エアロゾル・デポジション法(AD:Aerosol Deposition)などにより、さまざまな機能性セラミックス薄膜が開発されている。2000年(平成12)以降では、複数の液相コーティング法も盛んに開発されており、そのうち水溶液法では、常温・常圧の水溶液中でのセラミック・コーティング、金属酸化物の常温結晶化なども行われており、ナノメートルサイズやマイクロメートルサイズでの形態制御、結晶面制御も実現されている。

[増田佳丈 2025年7月17日]

『〔WEB〕「東京工業大学細野研究室」 https://www.mces.titech.ac.jp/authors/hosono/(2025年2月閲覧)』『〔WEB〕明渡純「常温衝撃固化現象を用いたセラミックスコーティング――エアロゾルデポジション(AD)法」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/sfj/68/12/68_692/_pdf/-char/ja(2025年2月閲覧)』『〔WEB〕増田佳丈「水溶液プロセスによる機能性ナノ構造薄膜の創製」 https://member.ceramic.or.jp/journal/content/pdf_free_access/57_1_25.pdf(2025年2月閲覧)』『〔WEB〕増田佳丈「セラミックスナノ構造体の液相合成」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspm/69/1/69_22/_pdf/-char/ja(2025年2月閲覧)』

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改訂新版 世界大百科事典 の解説

セラミックコーティング
ceramic coating

金属表面を耐食性,耐熱性,耐摩耗性の良いセラミックスで被覆すること。ジェットエンジンとかロケットエンジンのように高温度で高速動作させることが必要な場合とか,金属工業化学工業のように高温で腐食性の強い環境で使用される装置,あるいは家庭用の器具で金属のさびを嫌うときに,セラミックコーティングが施される。その方法としては,(1)ほうろう掛け,(2)溶射法,(3)化学蒸着法の3種がある。ほうろう掛けとは,比較的低融点のガラス質のセラミックスを金属表面に融着させることである。溶射法とは,高融点のセラミックスを加熱溶融し炎とともに金属表面に吹き付ける方法である。化学蒸着法とは,塩化物など気化しやすい物質を金属表面で熱解離,酸化あるいは炭化などの反応を起こさせて蒸着させる方法である。これらの方法によれば,通常では溶かすことのできない炭化ケイ素などをコーティングすることも可能である。
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百科事典マイペディア の解説

セラミックコーティング

金属や黒鉛等を保護するためにその表面を耐熱性,耐摩耗性,耐酸化性,耐薬品性をもったセラミックスで被覆すること。ほうろう掛け(ガラス質のセラミックスを表面に融着させる)による方法,化学蒸着(気化しやすい塩化物などを熱解離によって反応させる)による方法,酸素アセチレン炎プラズマジェット加工等で溶射する方法等がある。初め航空エンジン排気管に利用,現在では金属のさびを嫌う家庭用の器具などに利用されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

セラミックコーティング
ceramic coating

耐熱性をよくするために,軟鋼,耐熱鋼,耐熱合金,モリブデン,サーメットなどの表面にセラミックスを被覆すること。普通,釉 (うわぐすり) を表面に施して焼成して行われ,狭義には,釉がおもにガラス質のものを含む耐熱ほうろうをさすが,一般にはその他の耐火性結晶質をも含む。特殊な溶融噴射装置を用いて溶融成分を酸素-アセチレン炎で溶かし,圧搾空気で金属表面へ吹きつける方法も行われている。ジェットエンジンや原子炉部品などに用いられている。

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