改訂新版 世界大百科事典 「セラミックコーティング」の意味・わかりやすい解説
セラミックコーティング
ceramic coating
金属表面を耐食性,耐熱性,耐摩耗性の良いセラミックスで被覆すること。ジェットエンジンとかロケットエンジンのように高温度で高速動作させることが必要な場合とか,金属工業や化学工業のように高温で腐食性の強い環境で使用される装置,あるいは家庭用の器具で金属のさびを嫌うときに,セラミックコーティングが施される。その方法としては,(1)ほうろう掛け,(2)溶射法,(3)化学蒸着法の3種がある。ほうろう掛けとは,比較的低融点のガラス質のセラミックスを金属表面に融着させることである。溶射法とは,高融点のセラミックスを加熱溶融し炎とともに金属表面に吹き付ける方法である。化学蒸着法とは,塩化物など気化しやすい物質を金属表面で熱解離,酸化あるいは炭化などの反応を起こさせて蒸着させる方法である。これらの方法によれば,通常では溶かすことのできない炭化ケイ素などをコーティングすることも可能である。
執筆者:柳田 博明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報