せんウラン鉱(読み)センウランコウ(その他表記)uraninite

翻訳|uraninite

化学辞典 第2版 「せんウラン鉱」の解説

せんウラン鉱
センウランコウ
uraninite

UO2ウランの主要な鉱石鉱物.非晶質のせんウラン鉱をピッチブレンドという.トリアン石ThO2,セリアン石CeO2と共生している.花こう岩ペグマタイト,高温熱水スズ鉱床,熱水Co-Ni-Bi-Ag-As鉱床,熱水硫化物鉱床中に産出する.天然産の組成はUO2~U3O8.放射能の自然崩壊,酸化によりUO3が共存し,またPbをつねに含有する.合成はUO3ホウ砂中で長時間加熱,またはNaCl,NH4Clを共存させたUO2Cl2溶液の蒸発,およびUO3の水素ガス中での加熱により得られる.立方晶系,空間群 Fm3m,格子定数 a0 = 0.547 nm.八面体または立方体.硬度5~6.密度10.95 g cm-3(UO2,人工).もろく,帯褐黒色.天然産では密度8.0~10.0 g cm-3.ピッチブレンドでは密度6.5~8.5 g cm-3

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改訂新版 世界大百科事典 「せんウラン鉱」の意味・わかりやすい解説

セン(閃)ウラン鉱 (せんウランこう)
uraninite

最も基本的なウラン鉱物の一つ。理想化学組成UO2。通常はさらに酸化が進んでいる。ウラン自身の放射壊変産物である少量のラジウム,鉛,ヘリウムなどを含み,強い放射能を持つ。副成分としてトリウムセリウムイットリウムなどを含むこともある。色は黒,黒褐,緑黒,鋼灰など。立方晶系で,正六面体正八面体の自形結晶を作るが,普通は不定形で,塊状粒状,すす状を呈することが多い。割れ口は不規則または貝殻状。亜金属~樹脂状光沢。モース硬度5.5~6。実測比重は7.5~9.7と大きく,比重選鉱も可能。大半の型のウラン鉱床でその非酸化帯に初生鉱物として産出し,資源的にも重要。ピッチブレンド変種
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百科事典マイペディア 「せんウラン鉱」の意味・わかりやすい解説

セン(閃)ウラン鉱【せんウランこう】

ウランの重要鉱石鉱物。組成はUO2。相当量のThやPbなどと少量のHe,Ar,N2などの気体を含む。等軸晶系。結晶は立方体または八面体。産状は粒状,塊状など。脆弱(ぜいじゃく),硬度5〜6,比重8〜10。不透明で亜金属光沢があり,色は灰黒褐色など。ペグマタイト,高温スズ鉱脈,中温硫化物鉱脈などから産する。→ピッチブレンド
→関連項目ウラン

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