たかさぶろう(その他表記)Eclipta prostrata (L.) L.

精選版 日本国語大辞典 「たかさぶろう」の意味・読み・例文・類語

たかさぶろう

  1. 〘 名詞 〙 ( 歴史的かなづかい未詳 ) キク科一年草本州四国、九州の水田や湿ったところに生える。高さ一五~三〇センチメートル。全体に短毛を密生しざらつく。葉は柄をもち対生。葉身は披針形で縁が鋸歯(きょし)状のものもある。夏から秋にかけ、枝の先端に径約一センチメートルの扁平な頭状花が咲き、舌状花白色筒状花淡緑色漢名鱧腸。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「たかさぶろう」の意味・わかりやすい解説

タカサブロウ
Eclipta prostrata (L.) L.

世界の熱帯亜熱帯に広く分布し,日本では本州北部でも見られるキク科の一年草。水田や湿地,溝などに生える。茎は直立するものから地をはうものまである。直立するものでは高さ60cmに達する。地をはうものでは,ところどころから根を出す。葉は長さ3~10cm,幅0.5~2.5cmで,披針形から楕円形まであり,対生する。縁に低い鋸歯がある。茎とともに短い剛毛があって,両面はざらつく。花は7~9月,舌状花と筒状花とからなる頭花である。舌状花は白色で細長く,筒状花も白色で,先が4裂する。ともに結実し,瘦果(そうか)は長さ2.5~3mm,側面に小さなこぶがある。舌状花の瘦果は三稜柱,筒状花の瘦果は平たい四角柱,ともに先は切形で,短毛がある。花床には鱗片がある。総苞は鐘形で,片は2列,内片がやや短い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「たかさぶろう」の意味・わかりやすい解説

タカサブロウ
たかさぶろう / 高三郎
[学] Eclipta thermalis Bunge
Eclipta prostrata (L.) L.

キク科(APG分類:キク科)の一年草。茎はよく分枝し、地をはうものから直立するものまである。葉は対生し、茎とともに短い剛毛があってざらつく。7~9月、枝先の葉腋(ようえき)に数センチメートルの花柄を伸ばし白色の頭花をつける。頭花は舌状花と管状花からなり、ともに結実する。舌状花冠は細く、管状花冠は先が4裂する。沖縄から本州の水田や湿地、都会の溝などに生え、熱帯、亜熱帯に広く分布する。

[小山博滋 2022年3月23日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「たかさぶろう」の意味・わかりやすい解説

タカサブロウ
Eclipta prostrata; American false daisy

キク科の一年草。水田や湿地に生え,世界各地の熱帯,暖帯に広く分布する。茎は分枝し,高さ 30cm内外で,直立または横に伏し,赤色を帯びる。葉は対生し,長さ3~10cmの披針形で短い剛毛がありざらつく。夏から秋にかけて,枝先に径約 1cmの頭状花をつける。周辺に2列の白色の舌状花があり,中心部は淡緑色の管状花から成る。果実の先に粘液を分泌し,他物に粘着して散布される。

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百科事典マイペディア 「たかさぶろう」の意味・わかりやすい解説

タカサブロウ

キク科の一年草。本州〜沖縄,世界の暖〜熱帯に広く分布し,水田や湿地にはえる。全体に短い剛毛があり,茎は高さ10〜60cm,披針形の葉を対生する。頭花は白い舌状花と淡緑色の筒状花からなり,径1cm内外,7〜9月開く。果実は黒熟し,長さ約3mm。

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