タキストスコープ(読み)たきすとすこーぷ(その他表記)tachistoscope

デジタル大辞泉 「タキストスコープ」の意味・読み・例文・類語

タキストスコープ(tachistoscope)

瞬間露出機。視覚刺激を1000分の1秒程度の正確さで与えることができる装置。広告物の文字図形などの見え方、認知に必要な時間などを実験する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タキストスコープ」の意味・わかりやすい解説

タキストスコープ
たきすとすこーぷ
tachistoscope

瞬間露出機と訳される。広告物を1000分の1秒から数秒くらいまでの露出で見せ、広告の構成要素である文字、図形などの見え方や、認知に要する時間などを調べる実験器具。器具は、各種の速度によるメッセージ露出や照度という条件の下で、いろいろな刺激の呈示を可能にするアタッチメントを伴うスライド・プロジェクターである。広告コピーがどの程度まで効果があるかを事前にテストするためによく使用される。一般に、広告に接し、脳のなかが無意識的に変化し、それにより欲求動機づけがおこる過程については言語は用をなさない。このような変化過程は「非言語応答」型の手法で初めて把握できる。そのような心理反応の実験的測定法の一つとしてタキストスコープがある。ただし、この方法は、被験者の先行経験の差によって、有名な会社の広告などの場合、優れた広告表現でなくても高い数値が出る、という欠点があるので、慎重な判定が必要である。

[島守光雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タキストスコープ」の意味・わかりやすい解説

タキストスコープ
tachistoscope

心理学の実験で,図形や文字などを瞬間的に提示するのに用いられる装置。瞬間提示器とも呼ばれる。シャッタ短時間で閉開する方式光源を点滅する方式とがある。瞬間視はこの器具に由来する用語

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