タケニグサ(読み)たけにぐさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タケニグサ」の意味・わかりやすい解説

タケニグサ
たけにぐさ / 竹似草
竹煮草
[学] Macleaya cordata (Willd.) R.Br.

ケシ科(APG分類:ケシ科)の多年草。高さ1~2メートル。茎を切ると黄色い汁が出る。葉は互生し、広卵形で掌状に中裂し、裏面に白毛を密生する。6~8月、大形の円錐(えんすい)花序をつくり、多数の白色花を開く。花弁はなく萼片(がくへん)は2枚で白色。雄しべは多数、雌しべは1本。果実は扁平(へんぺい)な蒴果(さくか)で垂れ下がる。日当りのよい所に生え、本州から九州、および中国、台湾に分布する。植物体にアルカロイドを含み、かつてはウジ殺虫に利用した。名は、中空の茎がタケに似るという説、本種とタケをいっしょに煮るとタケが柔らかくなるからという説がある。ほかにササヤキグサ、チャンパギク異名がある。ヨーロッパでは園芸植物となっている。

[寺林 進 2020年2月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タケニグサ」の意味・わかりやすい解説

タケニグサ(竹煮草)
タケニグサ
Macleaya cordata

ケシ科の大型の多年草で,チャンパギクともいう。日本,台湾および中国の暖地に分布する。丘陵地や山地の日当りのよい荒れ地に普通にみられる。根は大型で橙色。茎は高さ 2mにも達する中空の円柱形で,切ると黄色の乳液を出す。葉は大型の広卵形で,縁辺が掌状に中裂し,裏面は白色で細毛を密生する。夏に,茎頂に大型の円錐花序をなして多数の小花をつける。花弁はなく白色の萼片が2枚あり開花後脱落する。果実は扁平な 蒴果で内部に多数の種子を生じる。風で揺れるとこの種子がかさかさと音を立てるのでササヤキグサの別名もある。

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