日本大百科全書(ニッポニカ) 「タコマ」の意味・わかりやすい解説
タコマ
たこま
Tacoma
アメリカ合衆国、ワシントン州西部、ピュージェット海峡に臨む都市。人口19万3556(2000)。同州第3位の人口規模を誇る、海と緑の都市である。合衆国でも有数の海港都市として知られ、遠洋漁業基地でもあり、港には大規模な穀物倉庫がいくつも並び、世界各国から入港する大型船舶でつねに活気をみせている。また、州北西部域の工業の中心地であり、とくに豊富な林材に恵まれて、古くから木工業、製材、製紙、パルプなどが経済の主軸をなし、冶金(やきん)、電気化学の分野でも幅広い活躍を続けている。また、農業も見逃せない。1868年町が建設され、87年の大陸横断鉄道の開通により急速な発展をみた。日系人の間では「タコマ富士」の異名をとるレーニア火山をはじめ、数多くの景勝地への拠点ともなり、ピュージェット海峡やその中の大小の島々は、釣り、ヨット、キャンプ、ハイキングと市民の格好の行楽地である。日系住民の多い都市としても知られる。
[作野和世]