たどたどしい(読み)タドタドシイ

デジタル大辞泉 「たどたどしい」の意味・読み・例文・類語

たどたど‐し・い

[形][文]たどたど・し[シク]
未熟であったり機能が十分でなかったりするため、物事を行うようすが危なっかしい。とどこおりなく行われず、おぼつかない。「―・い英語」「―・い足どり」
あたりのようすがぼんやりとしているさま。また、音・声などがかすかであるさま。
「なかなかに折りや惑はむ藤の花たそかれ時の―・しくは」〈藤裏葉
[派生]たどたどしげ[形動]たどたどしさ[名]
[類語]ぎこちないへた拙劣拙悪稚拙未熟幼稚不細工無器用不得手不得意へぼ下手くそから下手からっ下手つたなまずい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「たどたどしい」の意味・読み・例文・類語

たどたど‐し・い

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]たどたど〘 形容詞シク活用 〙 ( 「たづたづし(たずたずし)」の変化した語 )
  2. 学問技芸などに十分に習熟していない。その道に精通していない。未熟である。あぶなげである。不安定である。
    1. [初出の実例]「これが末を知り顔に、たどたどしき真名に書きたらんも、いと見ぐるしと、思ひまはす程もなく」(出典:枕草子(10C終)八二)
  3. 未熟なために進行などが、なめらかにいかない。のろのろしてはかどらない。
    1. [初出の実例]「いと慰めかねぬべき旅の空も、あまりによろづたどたどしかりしかば」(出典:小島のくちずさみ(1353))
  4. 機能などを十分に発揮していない。おぼつかない。不確かである。はっきりしない。
    1. [初出の実例]「眼もたとたどしく、今はおぼえ侍るを」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)
  5. 土地、場所の様子がよくわからない。地理的に不案内である。
    1. [初出の実例]「いざ、しるべし給へ。まろは、いと、たどたどし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)竹河)
  6. 直接に、はっきりそれと知ることができない状態になっている。霞などがかかってぼんやりとしている。薄暗くてはっきり見えない。音や声などがかすかで、はっきり聞こえない。
    1. [初出の実例]「しのびたる郭公の、遠くそらねかとおぼゆばかり、たどたどしきを聞きつけたらんは」(出典:枕草子(10C終)五)
    2. 「なかなかに折りや惑はん藤の花たそがれ時のたどたどしくは」(出典:源氏物語(1001‐14頃)藤裏葉)

たどたどしいの派生語

たどたどし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

たどたどしいの派生語

たどたどし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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