タマガワホトトギス(読み)たまがわほととぎす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タマガワホトトギス」の意味・わかりやすい解説

タマガワホトトギス
たまがわほととぎす
[学] Tricyrtis latifolia Maxim.

ユリ科(APG分類:ユリ科)の多年草。地下茎は垂直に地中に入り、走出枝を出す。節からはじょうぶな細い根を多数生ずる。地上茎は基部から斜め上に伸び、高さ0.4~1メートル。葉は互生し、広楕円(こうだえん)形で基部が深く茎を抱く。7~9月、茎の頂に腺毛(せんもう)を密生する散房花序をつける。花は2~12個、黄色で花被(かひ)の内面紫色斑紋(はんもん)があり、長さ2~2.5センチメートル、茎の上部では斜めに開く。外花被片の下部は球状に膨れる。北海道から九州の低地落葉広葉樹林の林内の樹陰に生育する。

河野昭一 2018年12月13日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タマガワホトトギス」の意味・わかりやすい解説

タマガワホトトギス(玉川杜鵑)
タマガワホトトギス
Tricyrtis latifolia

ユリ科の多年草で,日本各地の深山谷間湿地に生える。ホトトギス属の1種で,黄色で紫褐色の斑点のある花が上向きに散房花序をなしてつき,葉の表面に毛がない。和名は黄色の花色をバラ科ヤマブキの花に見立て京都のヤマブキの名所である井手玉川の名を取ったものといわれる。

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百科事典マイペディア 「タマガワホトトギス」の意味・わかりやすい解説

タマガワホトトギス

ホトトギス

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世界大百科事典(旧版)内のタマガワホトトギスの言及

【ホトトギス】より

…(3)ホトトギス節はもっとも分布の広いもので,ホトトギスのほかにタイワンホトトギスが含まれる。(4)ヤマホトトギス節は通常紫色がかった花をつけ,ヤマホトトギスT.macropoda Miq.(イラスト)や,日本にもっとも普通なヤマジノホトトギスT.affinis Makino(イラスト),あるいはもっとも北まで分布するタマガワホトトギスT.latifolia Maxim.(イラスト)を含む。 日本産の種の多くは西南日本に集中するが,タマガワホトトギスとヤマジノホトトギスは北日本にも分布する。…

※「タマガワホトトギス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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