ダウラギリ山(英語表記)Dhaulagiri

改訂新版 世界大百科事典 「ダウラギリ山」の意味・わかりやすい解説

ダウラギリ[山]
Dhaulagiri

ネパールヒマラヤダウラギリ山群の最高峰。標高8167m。サンスクリットで〈白い山〉を意味する。1950年フランス隊は主峰の東面や北面をうかがったが放棄アンナプルナに転進して登頂した。その後スイス,アルゼンチン,ドイツ,オーストリアの各隊がいどんだが,60年スイス隊(M. アイゼリン隊長)は軽飛行機を使い,北東稜から初登頂。登山再開後,70年同志社大学隊が第2登,73年アメリカ隊,76年イタリア隊,78年春東京都山岳連盟隊が南岩稜から,同年秋,群馬県山岳連盟隊が南東稜から,79年スペイン隊,80年ポーランド・イギリス・イタリア合同隊,スイス隊,81年カナダ・イギリス隊が登頂,日本の禿(かむろ)博信は単独無酸素登頂。主峰の北西にあるⅡ峰(7751m)は71年オーストリア隊,その南に連なるⅢ峰(7715m)は73年西ドイツ隊,さらにその南のⅤ峰(7618m)は75年岡山大学隊,その西のⅣ峰(7661m)は75年大阪府山岳連盟隊,その南西のⅥ峰(7268m)は70年関西登高会隊が初登頂。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダウラギリ山」の意味・わかりやすい解説

ダウラギリ山
だうらぎりさん
Dhaulagiri

ネパール・ヒマラヤ山脈のカルナリ地区にある山群。そのうちダウラギリ第1峰(8167メートル)は世界第7位の高峰である。ヒマラヤ山脈の主脈をほぼ南北に断ち切って、西にツーリ・ベーリ川、東にカリ・ガンダキ川が流れるが、その間に挟まれたようにダウラギリ第1峰、第2峰(7751メートル)、第3峰(7715メートル)、第4峰(7661メートル)、第5峰(7618メートル)、第6峰(7268メートル)がそそり立つ。第2峰は世界38位、第3峰は44位、第4峰は50位と、この山群はきわめて高峰が多い。ダウラギリとはサンスクリット語から出たもので、ダウラは白、ギリは山を意味し、「白い山」をさす。しかし、現地では一般にドーラギリといった呼び方をする。古く1900年(明治33)この山麓(さんろく)を通ってチベット入りした河口慧海(えかい)が『西蔵旅行記』(英訳Three Years in Tibet)で紹介して世界的に知られるようになった。とくにダウラギリ第1峰はヒマラヤのなかでも難峰の一つであり、1950年のフランス隊以後8回の攻撃結果、ようやく60年にM・アイゼリンを隊長とするスイス隊によって北東稜(りょう)から初登頂された。

[金子史朗]

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