だろう(読み)ダロウ

デジタル大辞泉の解説

だろ◦う〔だらう〕

[連語]《断定の助動詞「だ」の未然形+推量の助動詞「う」》不確かな断定、あるいは推定の意を表す。「彼はきっと成功する―◦う」「むこうの山が南アルプス―◦うか」→のだろう
[補説]現代語では、主に「う」「よう」が話し手の意志を表すのに対し、「だろう」は広く用言に接続して推量を表すのに用いられる。「だろう」を一語の助動詞とみる説もある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

だろう

( 連語 )
〔断定の助動詞「だ」の未然形「だろ」に推量の助動詞「う」の付いたもの〕
体言およびそれに準ずるもの、副詞、動詞・形容詞および一部の助動詞の終止形に接続する。
話し手の推量や想像などを表す。 「今夜は冷えこむ-・う」 「この痛みも今がとうげ-・う」 「みんな入学式に行くの-・う」
疑問詞や終助詞「か」を伴って、疑問や反語の意を表す。 「到着するのは何時ごろ-・う」 「こんな調子で今月中に出来上がる-・うか」 「そんな話ってある-・うか」
仮想の事柄であることを表す。 「彼のことだ。立派にやりとげる-・うことはまちがいない」
(「だろうに」の形で)事実に反する仮想を述べる。 「もう少しがんばれば、何とかなった-・うに」
(多く上昇調のイントネーションを伴って)相手に対して、念を押したり同意を求めたりする気持ちを表す。 「今になってそんな事を言ったら、僕が困る。君だって男-・う」 〔 (1) 現代語では、助動詞「う・よう」がもっぱら意志を表す用法に限られてきているのに対して、「だろう」は推量を表す言い方として一般に用いられる。 (2) 助動詞「だ」は体言に接続するだけで、活用語に付かないのに対して、「だろう」は体言にも活用語にも接続する。 (3) 「だろう」は、右のように、独自の意味・用法をもつに至っているので、これを一語の助動詞として扱う立場もある。 (4) 「だろう」の成立は近世江戸語においてである〕

だろう

( 連語 )
〔過去の助動詞「だ」の未然形に推量の助動詞「う」の付いたもの〕

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

だろ‐・う だら‥

(「であらう」の変化したもの。→語誌) 体言・副詞・活用語の終止形・助詞「の」に付く。ただし、助詞「の」に接続する場合は「活用語の連体形+の+だろう」の形をとる。
① 話し手の推量を表わす。
※洒落本・美地の蛎殻(1779)「『弐百五十取らすに行ねへ。琴公も行くだろうの』『わっちは御めんだぞ』」
滑稽本浮世床(1813‐23)初「早速御礼といふ心いきだらうが」
② 相手に対して確認や同意を求める気持を表わす。多く上昇調のイントネーションを伴って用いられる。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「生て居る内に初松魚(はつがつう)で一盃飲せる方が、遙に功徳だと。の、さうだらう。おばさん」
[語誌](1)「に‐て‐あら‐む」から変化した「で‐あら‐う」が変化した語。室町時代に、「ぢゃらう」「やらう」などの形を派生する一方で、江戸時代後期の江戸語に「だろう」が現われる。
(2)「であろう」からの過渡的な形として、「だあろ(う)」と表記された例もみられる。
(3)「であろう」が、専ら推量の意味を表わすのに対して、「だろう」は、推量用法と並んで、発生後かなり早い時期、少なくとも、文化文政期の滑稽本「浮世床」「浮世風呂」には、既に②のような同意、確認を求める言い方の例が見られる。
(4)現代語では「う」「よう」が意志を表わす用法に限られつつあるのに対して、「だろう」は推量を表わす基本的な形となっている。

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