翻訳|endive
キク科(APG分類:キク科)の一、二年草。和名キクヂシャ(菊萵苣)、ニガヂシャ(苦萵苣)。初期には茎は伸びず、長さ10~20センチメートルの葉が重なって生える。葉形は品種によってさまざまで、色も緑から黄緑まで変異があり、質はもろい。花茎は直立して0.5~1.3メートルになり、径3~4センチメートルの藍(あい)色の花をつける。痩果(そうか)は長さ2~3ミリメートル、径1ミリメートル、灰白色で鱗片(りんぺん)状の冠毛がある。野菜として畑に栽培される。東部地中海沿岸の原産で、古代エジプト・ギリシア時代から栽培された。日本での栽培は明治中期以降である。
8月に種を播(ま)き、10月ごろ、根出葉が長さ約20センチメートルに発育したら束ね、内部の葉を軟白してから収穫する。軟白しないものは苦味が強い。サラダ用とし、特有の芳香と苦味を伴った風味が賞味される。また、煮物用の品種もある。葉に切れ込みが多くて縮れる縮葉種と、広葉で切れ込みの少ない広葉種に大別され、日本ではおもに縮葉種が栽培される。
[星川清親 2022年1月21日]
キク科の一年草または二年草。ニガチシャ,キクヂシャ,メリケンサラダともいう。原産地は東部地中海沿岸である。古代エジプト,ギリシア時代にすでに栽培されている。日本への導入は古いが,栽培は明治の中ごろからである。縮葉品種系の葉は切れ込みが深く,ちぢれている。広葉品種系の葉は広く,通常切れ込みは浅い。両系とも栽培品種が分化している。一定の高温が続くと花芽ができ,とう立ち,開花する。冷涼な気候を好むので,暖地で秋まき冬どり,高冷地では初夏まき秋どり,両者の中間地では夏まき冬どりされる。成熟した半結球状のものの全葉を束ねて葉先をしばり軟白する。秋は1~2週間,冬は1ヵ月軟白してから収穫する。茎葉は苦みと香気があり,歯ざわりもよい。サラダとしてヨーロッパ諸国で多く利用され,日本での消費も伸びつつある。
執筆者:高橋 文次郎
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