ロシア・ソ連の物理学者。宇宙飛行の理論の先駆者として知られる。リャザン地区の小さな町イゼブスクで生まれた。10歳のときしょうこう熱にかかり、その余病で耳が聞こえなくなった。これが自己の内に沈潜する彼の性格を決定づけたといわれ、一生、孤独な研究生活を続けることになった。16歳のときモスクワに出て、図書館通いをしながら物理学や天文学の勉強を行い、3年後に故郷で中学校の教師となった。ロケット飛行の原理を追究しつつ、自宅で圧縮ガスを使った噴射実験を行い、1898年に彼の代表的論文「ロケットによる宇宙空間の探究」をまとめた。この論文は1903年『モスクワ科学評論』誌に掲載された。ここでは「ツィオルコフスキーの式」とよばれる「ロケットの理想的な到達速度がガスの噴出速度に比例し、また、ロケット発射時と燃焼終了時との重さの比(質量比)に関連する」ことが示され、さらに、ガスの噴出速度を大きくするためには液体推進剤のほうが有利なことも論じられている。政府が彼の仕事の意義を認めたのは死後10年以上を経てからであった。
[新羅一郎]
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…ロケット工学の先駆的研究を行ったロシア,ソ連の科学者。正しくはツィオルコフスキーと読み,〈宇宙ロケットの父〉とも呼ばれている。リャザンの生れ。…
※「ツィオルコフスキー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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