ツシマヤマネコ(読み)つしまやまねこ(その他表記)Tsushima leopard cat

共同通信ニュース用語解説 「ツシマヤマネコ」の解説

ツシマヤマネコ

国の天然記念物に指定されている。東南アジアに生息するベンガルヤマネコ亜種で、長崎県離島対馬」(対馬市)だけに生息する。約10万年前に大陸から渡ってきたとされる。成獣体長イエネコとほぼ同じ50~60センチ程度で、体重は3~5キロ。耳の後ろに白い斑点(虎耳状斑こじじょうはん)がある。森林田畑を主なすみかとし、ネズミ昆虫などを食べる。生息数の減少を踏まえ、沖縄県・西表島のイリオモテヤマネコとともに絶滅危惧種として保護されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツシマヤマネコ」の意味・わかりやすい解説

ツシマヤマネコ
つしまやまねこ / 対馬山猫
Tsushima leopard cat
[学] Prionailurus bengalensis euptilurus

哺乳(ほにゅう)綱食肉目ネコ科の動物。ベンガルヤマネコの1亜種。長崎県対馬(つしま)や朝鮮半島などに分布し、体長45センチメートル、尾長25センチメートルほどである。国の天然記念物に指定され保護されている。長崎県対馬市上県町(かみあがたまち)にある対馬野生生物保護センター(1997年設置)では、ツシマヤマネコをはじめ絶滅のおそれのある野生生物の生態や現状について普及啓発活動を行っており、2003年(平成15)からはツシマヤマネコの一般公開も実施している。

[今泉忠明]

『山村辰美著『ツシマヤマネコの百科』(1996・データハウス)』

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小学館の図鑑NEO[新版]動物 「ツシマヤマネコ」の解説

ツシマヤマネコ
学名:Prionailurus(=Felis)bengalensis euptilurus

種名 / ツシマヤマネコ
科名 / ネコ科
日本にいる動物 / ◎
解説 / コナラ林や草地など、ネズミの多い所を中心に活動します。個体数が急げきに減少し、今では100頭前後と絶滅が心配される動物です。
体長 / 50~60cm/尾長20~25cm
体重 / オス3.5~5kg、メス3~3.5kg
食物 / ネズミ、鳥、昆虫など
分布 / 長崎県の対馬
絶滅危惧種 / ☆
天然記念物 / ☆天然記念物

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツシマヤマネコ」の意味・わかりやすい解説

ツシマヤマネコ
Prionailurus bengalensis euptilurus; Tsushima wildcat

食肉目ネコ科。ベンガルヤマネコの1亜種。体長 42~45cm,尾長 18~25cm。体は灰褐色で褐色の斑点をもつ。モグラ,ネズミなどの小型哺乳類,アトリ,セキレイなどの鳥類,爬虫類,両生類,魚類,昆虫類などを食べる。2~3月頃が繁殖期で,雌は5月頃に出産するらしい。対馬に生息するが,その数は全島で 250~300頭ほどと推定され,天然記念物に指定されている。

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百科事典マイペディア 「ツシマヤマネコ」の意味・わかりやすい解説

ツシマヤマネコ

ヤマネコ

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世界大百科事典(旧版)内のツシマヤマネコの言及

【ベンガルヤマネコ】より

…イエネコに似るが大型で耳先が丸く,尾が先まで太いヤマネコ。東南アジアから中国,ウスリーまで分布し,日本には対馬に1亜種ツシマヤマネコF.b.euptiluraがすむ。体長44~107cm,尾長23~44cm,体重3~7kg。…

【ヤマネコ(山猫)】より

…南アジアのヒョウネコ類は額から肩にかけて首の背面に4本の黒条が走り,尾の輪状紋が不明りょうである。代表的なのはインドからバリ,パラワン,ウスリまで広く分布し,日本の対馬にも生息するベンガルヤマネコF.bengalensis(対馬にいるのは亜種のツシマヤマネコF.b.euptilura)とインドからスマトラ,ジャワまで分布し,水中に顔をつっこんで魚をとらえるスナドリネコF.viverrina(イラスト)である。他にインド半島南部とスリランカのサビイロネコF.rubiginosa,マレー半島,スマトラ,ボルネオのマライヤマネコF.planicepsがある。…

※「ツシマヤマネコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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